巨匠マーティン・スコセッシが監督し、オセージ族の実話を基にした新作映画『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』が話題を呼んでいるが、タイカ・ワイティティ監督が手掛けた人気ドラマ『リザベーション・ドッグス』のネイティブアメリカン俳優が映画を批判している。
スコセッシ新作映画に苦言
『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』は1920年代のオクラホマ州を舞台に、ネイティブアメリカンのオセージ族が暮らす居留地で実際に起こった連続殺人事件が中心に描かれ、『リザベーション・ドッグス』はオクラホマ州の田舎に住む、ネイティブアメリカンのティーンエイジャー4人を描くコメディドラマ。
『リザベーション・ドッグス』に出演してネイティブアメリカンの俳優として活動するデヴァリー・ジェイコブスが、X(旧Twitter)に『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』を観賞した感想を連投して映画に苦言を呈している。
痛々しくて残酷
デヴァリーは、「映画は痛々しくて残酷で容赦がなく、不要に描写が生々しい…。自分の祖先に対して行われた、最悪の残虐行為を想像してみてほしい。苦痛が少なかったシーンでさえ、殺人鬼の白人が殺人について話したり計画したりして、残虐行為に溢れた映画を観なくてはいけないのです」と訴えている。
デヴァリーは、モリー・バークハート役で主演したリリー・グラッドスートンの演技を称賛しつつも、「白人男性にはもっと礼儀と深みが与えられていたのに、オセージ族の登場人物は、それぞれが痛々しいほど過小評価されているように感じました。この暴力は、このコミュニティに起こった真の恐怖を人々に理解させるために、残酷なショックを与えることが目的だと理解しています。ですが、私は彼らの死をおぞましく描くことで、実在の人物に名誉や尊厳が示されたとは感じません」とも続けている。
I HAVE THOUGHTS. I HAVE STRONG FEELINGS.
This film was painful, grueling, unrelenting and unnecessarily graphic.
A thread. 🧵 pic.twitter.com/THxucE9TkZ
— Devery Jacobs (@kdeveryjacobs) October 23, 2023
さらにデヴァリーは、映画批評家やファンが本作を称賛するのを見聞きすると「胃が痛くなる」と認め、「ネイティブの人々は、私たちの悲しみやトラウマ、残虐行為を乗り越えて存在しています。白人が私たちに与えた恐怖を示すよりも、先住民であることへの誇り、私たちの言語や文化、喜びや愛のほうが遥かに意味があり、人間味あふれるものなのです」とメッセージを伝えた。
『キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン』は日本でも公開中で、後にApple TV+にて配信開始予定。(海外ドラマNAVI)
Photo:Apple TV+