韓国ドラマ『コクドゥの季節』で全てうまくいかないが明るく乗り越えようとするどん底医師ケジョルを演じたイム・スヒャンと運命の人を探し続ける死神コクドゥを演じたキム・ジョンヒョンのオフィシャルインタビューが到着した。
『コクドゥの季節』キム・ジョンヒョン&イム・スヒャンのインタビュー全文
――『コクドゥの季節』に出演した感想を教えてください
イム・スヒャン:とても面白い台本で、素晴らしい俳優陣とご一緒できて楽しかったです。平凡かもしれませんが、これが私の本心ですね。楽しく撮影したので、作品をご覧になる方にも、楽しんでもらえればと願っています。
キム・ジョンヒョン:去年の夏に撮影が始まり、今は冬を迎えました。心温まるドラマは、寒さを忘れさせると言います。僕もこの寒い冬に視聴者の皆様にご挨拶することができて、本当にうれしいです。この作品を、ぜひ多くの方に観てもらいたいですね。
――現世と前世の役柄についてお聞きします。それぞれのキャラクターの魅力を教えてください。
イム・スヒャン:私はキュートで明るい医師ハン・ケジョルを演じました。コクドゥと知り合って切なくも美しい、素敵な恋をするそんな人物です。
キム・ジョンヒョン:僕はコクドゥを演じています。気難しい黄泉路の案内人ですが、その役をかなり自由に演じました。それが視聴者には、自由奔放だったり型破りに見えたりするかもしれません。その辺りを面白がってもらえるかなと思います。僕は他にもト・ジヌを演じていますが、彼は自制心が強く生真面目な人物です。この二人をどう演じ分けるか、同じ顔でどう違いを出すか、作品のポイントになる部分ですのでぜひご注目ください。
――それぞれの役柄を準備しながら、そのキャラクターのどんな部分に惹かれましたか? 役柄の魅力を聞かせてください。
イム・スヒャン:私はケジョルに情が移りましたね。ケジョルは、自分は美人じゃないし平凡だ、特別な人間じゃないと思っています。それでもたくましく生きている。そんなケジョルを優しく抱き締めて慰めてあげたくなります。「あなたは十分にステキだし美人よ」と言ってあげたい、そんなキャラクターですね。
キム・ジョンヒョン:コクドゥは黄泉路の神で、彼は多くの苦悩を抱えています。でも台本ではそれを重苦しく憂鬱に表現するのではなく、軽やかで生気に満ちた感じになっていました。死者の神という役柄であっても、自由に明るく演じられるし、新しい解釈が可能だと思いながら臨んでいます。
――スヒャンさんに伺います。今回演じるのはファンタジーラブコメディーのヒロインです。前世と現世に関する話が出て少々特別な内容ですが、どのような点に気を使いましたか?
イム・スヒャン:前世のパートは時代劇なので、時代劇の口調をかなり練習しました。私が前世で演じたソリは、悲劇的な事件に直面する切ない人物です。そのため、より女性らしく表現しようと努めました。一方、現世を生きるケジョルは、生活力の旺盛な人物です。両親を亡くして、弟と二人きりで生き抜いてきました。だから根性も据わっているけど、一方でロマンスを求める愛らしい面もあります。そんな両面性を表現しようと思いました。ケジョルとソリ、性格は違っていても同じ人物です。それぞれの時代に主体的に生きる女性の姿を表現したかったんです。
――次はジョンヒョンさんに質問です。もし、目の前にコクドゥが現れたらどんな反応をしますか?
キム・ジョンヒョン:コクドゥが現れたら逃げると思いますね(笑)。彼はどんな行動を取るか予想できない人物なので、もし現実にコクドゥと出会ったなら、無理かもしれないけど逃げようとするでしょう。関わらないようにして目も合わせないかな(笑)。
――演じた役柄の性格や行動で、自分と似ている面はありますか? 具体的にどんな面か似ているか教えてください。
イム・スヒャン:ケジョルは私の明るい面を最大にしたようなキャラクターです。だからケジョルを演じている間は、自分自身も明るくなりました。現場にいる時も普段も、テンションを高くして明るく振舞うように努力しました。また、しばらくケジョルを演じているせいか、愛らしくなったとよく言われるんです(笑)。どんどん私がケジョルに同化しているみたいですね。好影響を受けています。前向きなケジョルから良いエネルギーをもらっている気がします。
キム・ジョンヒョン:僕はオ・ヒョンとト・ジヌ、コクドゥの3役ですが、自分と似ている面がそれぞれ少しずつあります。メインに演じているのはコクドゥですが、僕もイム・スヒャンさんと同様、良いエネルギーをもらって、とてもいい気分で撮影しています。コクドゥに関して言うと、僕が友人たちとリラックスして過ごす時は、あんな姿を見せるような気がしますね。あそこまでじゃないけど、冗談を言ってすごく上機嫌になるんです。ト・ジヌは自制心が強く、心を閉じ込めている印象ですが、僕も悩みがある時や、普段でも考え事をしている時などはあんな姿だと思います。
――事前に役作りのために努力したことは? 職業について調べたとか、減量や増量をしたとか、何かありますか?
イム・スヒャン:序盤では、体重を減らさないように気をつけました(笑)。「私なんか平凡でダメだ」と思っている人物だし、劇中に自分と対照的な美人キャラ(キム・ダソム演じるジョンウォンなど)も登場するので、それと比較してケジョルらしさ、「ダサいけど愛らしい姿」を見せたくて。スタイリストやヘアメイクの方といろいろ話し合いました。前世の時代劇パートでは武術シーンが少し出てきます。私は下手な設定ですが、キム・ジョンヒョンさんと二人でアクションスクールに通いました。それから乗馬も習いました。彼は一度、落馬をしたんですよ。無傷でしたけど。私は初級レベルですが、彼は経験者だから乗馬も上手なはずなんですが…。
キム・ジョンヒョン:でも、落馬しちゃいました(笑)。僕も乗馬と武術を練習しました。あと、体重の増減よりは演技について悩みました。僕は1人2役どころか3役なので、それを演じ分けなくてはなりません。それぞれの人物に方向性があるので、そこにポイントを置くように努力しました。
――時代劇の衣装と髪形がきれいでした。よくお似合いですね。もしお気に入りの衣装を選ぶとしたら?
イム・スヒャン:全部きれいでした。本当に美しい衣装を作っていただきました。1つに絞るのは難しいんですけど、私とヒョンがデートをするシーンで着ていたピンクの韓服の衣装がすごくかわいくて好きです。今日もピンクの服を着てきました。春らしい桜の花びらが舞うイメージを表現できればと思って。ほら、花の飾りも付いているんですよ。私はケジョル(韓国語で「季節」)だから(笑)。
キム・ジョンヒョン:今回の作品では、ビジュアル的には、まげを結わずに時代劇パートを演じました。高麗時代の武人なので、これまで他の作品で演じたキャラクターとは髪形が異なりますが、初めての経験でとても新鮮でした。武人なので華麗な武術を見せるべきなのですが、実際のアクションシーンは少なかったんです。その点は残念に思っています。全般的に時代劇パートでは衣装に重厚感があるので、それを楽しんでもらえればと思います。
――お二人は『コクドゥの季節』が初めての共演ですよね? 初共演をなさった感想をお願いします。
イム・スヒャン:私は同い年の俳優と共演できて楽しかったですね(二人は共に1990年生まれの33歳)。まだ撮影中ですが、このドラマでは二人のやり取りが重要なんです。最初から二人の相性が大事だと思っていました。ジョンヒョンさんがうまくリードしてくれて、私は気を使わずに彼に乗っかっています(笑)。
キム・ジョンヒョン:同い年ということもあって、現場で撮影が始まる前も撮影の合間も、気楽に話ができるのでよかったですね。年齢とは関係なく、俳優イム・スヒャンと共演できて幸せです。コクドゥは型破りな役柄ですが、彼女がバランスを取り、ペースをつくってくれるので、僕は自由にいろいろとチャレンジができます。共演できてうれしいし、楽しく撮影しています。「最後までよろしく」と言っておきたいですね(笑)。
――お二人の恋の行方に関する見どころは? ぜひ注目して観てほしいところをご紹介願います。
イム・スヒャン:二人は甘辛な関係なんです。1つのシーンの中でケンカして仲直りして、泣いて笑って…そんなシーンばかりです。長めのシーンが多いのですが、その中に細かい感情の揺れ動きがあるし、会話の応酬もあります。それを楽しんでもらえれば幸いです。実際、そんなシーンがどう映像になっているか、自分でもとても気になります。本作では彼と私がセリフと演技で表現する部分が多いんです。とにかく、楽しんで観ていただけたら嬉しいですね。
キム・ジョンヒョン:スヒャンさんが言ったように、確かにセリフが多くて慌ただしいかもしれません。でもその中に二人の甘辛な関係や面白い掛け合いもあります。その流れに巻き込まれて観ていたら、新たな発見があるはず。負担になるような重いストーリーではないですし、セリフのトーンも軽く耳に入ってくる日常的な会話です。気楽に観てもらえれば、心温まるラブロマンスの見どころに行き当たると思います。
――撮影現場はどうでしたか? 印象的なエピソードがあればお願いします。
キム・ジョンヒョン:二人が時代劇の衣装で赤い灯台の前で撮影したシーンがあります。完成までにすごく時間がかかりました。天候や日没時間の制約もあって…。地方ロケでしたが、苦労して撮影した記憶があります。最後は寒さに震えながらの撮影でした。でも、とても美しく仕上がったので満足しています。確か、最初ロケ地に行った時は雨に降られてソウルに戻ったり…。
イム・スヒャン:急に台風が来て撮影に数日かかりました。あと、突然日が陰ったりと苦労が多かっただけに、美しく映っていたらうれしいですね。実はとても重要なシーンなんです。あのシーンは忘れられません。あと印象に残っているのは、行列が山を行くシーンですね。ソリとオ・ヒョンが駕籠の行列で進むシーンです。あの時の風景は現実と思えないほどでした。私が駕籠の窓越しに馬上の彼を見上げるんです。額縁の中の絵のようにステキで、ソリになった気分でした。あの時も撮影自体はとても苦労したけど、実際に高麗時代にいるような感覚になりました。窓から見えるのは彼の姿だけで、スタッフは見えないんです。見えるのは馬上のオ・ヒョンだけ。あのシーンは印象的でしたね。
――では最後に、日本のファンの皆様に、簡単にドラマの見どころと挨拶をお願いします。
キム・ジョンヒョン:視聴者の皆様、『コクドゥの季節』はセリフも多くて、私たち二人の会話の応酬が面白いはずです。コクドゥには、99年ごとに99日間、この世で過ごす理由があります。その理由とは何で、どんな出来事によって解決するのか、長く待ちわびた末にどんな結末を迎えるのか、最初から最後まで細部に目を凝らして、じっくりとご覧ください。きっと面白さも倍増するでしょう。
イム・スヒャン:その通りです(笑)。ぜひ観てください。
『コクドゥの季節』視聴情報
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