『ブレイキング・バッド』ブライアン・クランストン、ウォルターの容姿づくりに強いこだわり

世界中で社会現象を巻き起こした傑作ドラマ『ブレイキング・バッド』にウォルター・ホワイト役で主演したブライアン・クランストンが、自身が演じたキャラクターの容姿を創り上げる上で、こだわった点やそのプロセスについて語っている。

髭に対するこだわりがすごい!

ブライアンが演じたウォルターは温厚な高校の化学教師だが、がんを宣告されたことで家族に遺産を残すことを決意。専門知識を活かして高純度のドラッグを精製し、裏世界でキングピンとしてのし上がっていく。その過程でウォルターはハイゼンベルクと名乗り、頭をスキンヘッドにしてトレードマークとなる帽子を被り、その外見に凄味が増していった。

GQのインタビューでブライアンは、ウォルターの容姿に取り組んだ過程を、次のように説明している。「最初の頃のウォルターは大人しくて従順、受け身で流されやすく、自分が何者なのか分かっていないようなキャラクターでした。その点を理解してからは、彼は少し太り気味で、お腹周りに贅肉がある方がいいなと思いました。不健康な色白で口髭は生やすか剃るか、どちらかがいい。そして、それを“インポテント・マスタッシュ”と名付けました」。

最終的にウォルターは口髭を生やすことになるのだが、ブライアンはその形にもかなりこだわったという。口髭が孤を描くように唇の下まで行くとワルで下品に見えるため、常に口髭が唇の上までに収め、地肌が見えるくらいの薄さに整えることで、男らしくなく見えるよう調整。ハイゼンベルクは裏世界で名を馳せるワルだが、ウォルターは化学教師で教育者であるため、それに合った口髭の形に決めたようだ。

演じるだけじゃない役作り

またブライアンは、ウォルターの存在感のないビジュアルを決めるうえで、衣装やヘアカラーの選択プロセスにも言及している。

「衣装デザイナーと話をしながら、壁に溶け込むような服を選びました。ベージュやオフホワイト、パステル、柔らかい黄色、そんな感じです。砂の色でも何でも、彼が消えてしまうような。彼は何者でもありませんでしたからね。もともと、私の髪の毛にあったハイライトを取り除いたんです。赤みがかったハイライトが入ったブラウンカラーだったんですが、それを全部取り除いて、顔周りから色を抜いてしまいました。すると突然、自分自身の中で見えてくるものがあったんです。それらを身に纏って“さあ演じよう”とね」

ブライアンが演じ分けたウォルターとハイゼンベルグのコントラストは秀逸で、念入りに考えられたビジュアル計画に大きく起因していたと言えそうだ。

『ブレイキング・バッド』の放送終了後にブライアンは、TV映画『エルカミーノ:ブレイキング・バッド THE MOVIE』でウォルター・ホワイト役を再演。最近では、NFLの王者決定戦・スーパーボウルのスポットCMにも登場し、ジェシー・ピンクマン役のアーロン・ポールとトゥコ役のレイモンド・クルスと再共演を果たした。

(海外ドラマNAVI)

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