この秋、ミステリーチャンネルとWOWOWで始まるのがUKからやってきた『時空刑事1973~LIFE ON MARS』と『キケンな女刑事 バック・トゥ・80"s』。この2つのドラマをつなぐキーワード、それはデビッド・ボウイだ!
『時空刑事1973~LIFE ON MARS』は、2006年から1973年にタイム・スリップしてしまった刑事サム・タイラーが主人公。現代の科学捜査の知識をもとに、戸惑いながらも、事件を捜査していく...、というシリアス&ミステリアス&不条理な刑事ドラマ。
一方、『キケンな女刑事 バック・トゥ・80"S』は、女刑事アレックスが、2008年から1981年にタイムトリップ、なんとか元の時代に戻るため、巻き込まれる事件を解決していく、というドラマ。こちらは、『時空刑事~』のスピンオフドラマでもあり、ちょっとコメディ要素も入って80年代のお馬鹿なファッションとかメイクをネタに笑い飛ばしてる。いまやあの肩パットの入ったスーツ、お笑いにしかならないしね...。それに"真っ赤なスポーツカー"と"皮ジャン"に"グラサン(死語)"、派手なアクションで拳銃を撃つ刑事...って、おいおい『マイアミバイス』?いやいや『あぶない刑事』!?
さて、このドラマ、原題となっている「LIFE ON MARS」「ASHES TO ASHES」ともにデビッド・ボウイのヒット曲タイトル。
「LIFE ON MARS」は、アルバム「HUNKY DORY」に収録され、"73年にはシングルカットされて全英3位となった名曲。ちなみに、日本では「火星の生活」と邦題がついてるけど、本当は、「火星に生物はいるんだろうか?」という内容だ。
「ASHES TO ASHES」は、アルバム「SCARY MONSTERS」に収録され、こちらもシングルとして全英No.1のヒットを記録した曲だ。
さて、この2曲、もちろん、ドラマの中で重要な役割をもっている。
『時空警察』では、2006年のサム・タイラーが事故を起こしたとき、愛車チェロキーのiPodから流れていたのが、「LIFE ON MARS」。で、タイムスリップ先ではなんとクラシカルなオンボログルマ、それも8トラックカセット(知ってる?)から同じ曲が流れていた...。
一方、『キケンな女刑事』では、曲だけでなく、「ASHES TO AHES」のビデオクリップでデビッド・ボウイが演じているピエロへのオマージュ、キャストがポロリとつぶやく歌詞になにかしら重要な意味が秘められているらしい...などなど、ボウイファンなら、思わずニヤリとするネタが満載!
もちろん、ドラマを飾る楽曲はデビッド・ボウイだけではない。『時空刑事~』のはじめのほうのエピソードだけでも、ディープ・パープルやクリーム、そしてウィングスが登場。
『キケン~』になると、ウルトラボックスにデュランデュラン、そしてクラッシュときてストラングラーズ。うーん、ロックファンにとっては、これだけで見逃せない、いやいや聞き逃せない!
もちろん、ドラマの面白さだって、アメリカの刑事ドラマとは一味違ったひねりの効いた展開。なんといっても、ミディアムエリアで活躍する刑事ドラマってね、そりゃカルトな予感漂います...。
さて、渋い70年代? ギラギラの80年代? あなたはどちらが好み?
■『キケンな女刑事 バック・トゥ・80"s』
【放送】WOWOW
【字幕版】毎週火曜23:00
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