シリアス、コメディ、ミステリー、サスペンス、SF......などなど、ドラマや映画をカテゴライズするジャンルは多々あるけれど、数年前から急速に人気を集めている感があるのが"ドラメディ"というジャンルだ。
『アグリー・ベティ』や『デスパレートな妻たち』、『弁護士イーライの不思議な日常』、先日日本でもオンエアがスタートした『ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ』なんかがそれにあたり、ミュージカルの要素も入った『Glee』はミュージカル・ドラメディと言われている。
ドラメディとは簡単に言ってしまえばその名前の通り、ドラマとコメディの要素をミックスしたものを指す造語で、確かに先に挙げた作品はみんなドラマとコメディの要素がバランス良く配合されている。
でもちょっと待てよ？ ドラマとコメディの要素がミックスされていればみんなドラメディなのか？ というと、これがそう単純な話ではない。というか実に曖昧なジャンルなのだ、ドラメディって。
よくドラメディの解説には「ドラマとコメディの要素が半々くらいの割合でミックスされているもの」などと書かれているけれど、『Glee』のようにそこにミュージカル要素が加われば、ドラメディの頭に"ミュージカル"という言葉が付け加えられる。この定義でいけば例えばアクション・ドラメディ、クライム・ドラメディという言葉が出てきてもおかしくないと思うのだが、なぜかそうはならないのだ。
個人的には『バーン・ノーティス』なんかはドラマとコメディの要素が上手くミックスされている作品だと思うけれど、これがクライム・ドラメディと言われることはない。ミステリーもそうだ。『名探偵モンク』や今月末からスタートする『サイク／名探偵はサイキック？』などは、『バーン・ノーティス』以上にドラメディの定義に当てはまりそうなものなのに、ミステリー・ドラメディなんて言われないのだ。
こうなってくると「ドラメディって何？」と頭を抱えたくなる。だって今や多ジャンル・ミックスの時代だもの。複数のジャンル要素を取り込んだドラマは山ほどあるわけで、その中でドラマとコメディの要素を取り入れること自体は実にベーシックなこと。その中で何を持ってしてこれはドラメディ、これはドラメディじゃないと切り分けるのか、その境界線がこれほど曖昧なジャンルはないと思う。
なのですみません、ここまで書いておいてなんですが、今回は「こうだったらドラメディだ」とハッキリしたオチはつけられません。
ただ傾向として、ドラメディと呼ばれる作品はこと賞レースに至ってはほぼ間違いなくコメディ部門に振り分けられているというのがひとつの目安にはなるかも。コメディに振り分けられる時点でドラマよりコメディ要素が強いってことでは......と言いたくなるが、そう考えるとドラメディとは「ドラマとコメディの要素半々」というより、「ドラマの要素もあるコメディ」というのが正しい気がするのであった。
■『ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ』
【放送】LaLa TV
【日時】毎週土曜23:00～ほか放送中
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■『サイク／名探偵はサイキック？』シーズン1
【放送】ユニバーサルチャンネル
【日時】7月25日（月）22:00～本放送開始
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