グリム童話の世界がもし現実のことだったら...をモチーフに物語が綴られるダーク・サスペンス・ドラマ『GRIMM/グリム』。ドラマの中でおとぎ話と現代社会をつなぐ役割を果たしているのが、いかにもおとぎ話に登場しそうな小道具(プロップ)。この小道具を担当するドリュー・ピニガーが自身の専門分野について語っている。
『GRIMM』の美術部門に在籍するピニガーは、これまで『エクスペンダブルズ』などさまざまな映画・TVにかかわってきたベテラン小道具マンだ。非現実の世界にある小道具の創造について、ピニガーは「ずっとSFファンでしたから、いろいろなものから受けた影響を混ぜて作り上げています。僕の好きな監督や作家、たとえばリドリー・スコット、ジュール・ヴェルヌ、C.S.ルイスやデヴィッド・リンチ、そしてデヴィッド・クローネンバーグですね」
脚本に書かれていない部分を考えるのもピニガーの仕事。「小道具を作る前に、その背景を考えてみるんです。いつ作られたものなのか? 世界のどこからやって来たのか? 歴史に沿ったものなのか、空想の世界のものなのか? 脚本家たちが参考となる図や資料を持ってくることもあります。僕らはなるべく彼らのヴィジョンをとらえたいと思っています。それに(撮影地である)オレゴンらしさをどこかに加えるのも好きですね」
ピニガーが、本作で一番思い出に残っているのは、イェガーバーが登場するシーズン1の第二話。熊のようなモンスター、イェガーバーの儀式で使われる儀礼具もピニガーの手によるものだ。「イェガーバーは特別な存在ですね。僕が番組のコンセプトを完全に理解して小道具を作り上げることができたのは、イェガーバーのエピソードからなんです」
画面にはチラリとしか映らない小道具にもとことんこだわりを持って取り組むスタッフ。本作を観る楽しみがまた一つ増えるのではないだろうか。
『GRIMM/グリム』は、ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントより、10月4日(金)からDVDVol.1が、そして11 月6 日(水)からブルーレイ&DVD-BOXが発売される。(海外ドラマNAVI)
Photo:マリーおばさんの車の中を隅から隅まで見てみたい! 『GRIMM/グリム』
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