海外ドラマファンなら誰しも、お気に入りの番組が迷走してしまったという経験はあるだろう。今年アメリカでシーズン10を迎える人気医療ドラマ『グレイズ・アナトミー』に関しても例外ではないようだ。スタート当初から番組の行方を見守り続けてきた米TV Guideの記者が、視聴するのをやめようとまで思っている理由を6つ列挙した。
(以下、シーズン10のネタバレを含みます)
1.キャラクターの一貫性が崩壊
ストーリーが筋道立てて進行するには、キャラクターの一貫性が欠かせないはずだが、シーズン10ではベイリー(チャンドラ・ウィルソン)になぜか強迫性障害が現れる。手を替え品を替えてストーリーをつなぐライムズの手法も、今回ばかりはプロットを破壊しているとしか思えない。
2.救いようのないインターンたち
シーズン10ではもうインターンではないが、物語で成長が止まっている彼らはいまだインターンのよう。パッとせず、痛々しくて、ウザったい。いつまでも進展しないジョー(カミーラ・ラディントン)とアレックス(ジャスティン・チェンバース)の関係も見ていてグッタリする。
3.サンドラ・オーの処遇
シーズン10で降板が決まったサンドラ・オーはすでに過去の人。サンドラ演じるクリスティーナが退場に向かう筋書きが見え見えであるばかりでなく、どれも薄っぺらい。これではサンドラと視聴者に失礼だ。
4.パッとしない主人公
ドラマの主軸である主人公メレディス(エレン・ポンピオ)とデレク(パトリック・デンプシー)の夫婦がパッとしない。家庭に恵まれなかったメレディスがようやく幸せをつかんだのはいいが、二人に用意されたプロットは新生児のお世話で不眠に陥るという退屈すぎるもの。
5.フラッシュバックの手法にはマンネリ
少し後の物語を最初に見せ、先のエピソードで過去に遡るというフラッシュバック。シーズン9序盤では斬新だったが、今シーズンではどうも安っぽい。
6.医療ドラマのはずが...?
登場人物の恋愛模様やプライベートはさておき、ストーリーから医療という要素が外れ気味。番組の見せ場であるはずの医療シーンに活気が見られない。
つまるところ問題は、『グレイズ』がどうやって続くのか、そしてこのまま継続すべきなのかというところ。レギュラー陣のうち、エレン、パトリック、ジャスティン、チャンドラ、サラ・ラミレスの出演契約が今季でいったん切れるため、米TV Guideの記者は番組の幕引きが一番の解決法ではないかとコメントしている。ファンとしては有終の美を飾れるところまで立て直してほしいところだが、複雑な心境だ。(海外ドラマNAVI)
Photo:『グレイズ・アナトミー』
(c)ABC Studios