演劇が盛んなお国柄や冗談好きな国民性によるのか、イギリスではアメリカとは一味違う重厚で見応えのあるドラマや、ブラックユーモア満載のコメディが好まれている印象がある。実際、イギリスではどんなドラマが人気なのだろうか!? このたび英Digital Spyが2013年のベストTVキャラクターを発表。今年イギリスで人気を博したTVドラマの登場人物、全8キャラクターをドラマの内容と共に、4回に分けてご紹介しよう。
英国では主役よりも、ともすれば見逃しがちな脇キャラについ目がいってしまうようだ。今回は、そんな姿勢で選ばれた二つのキャラクターをピックアップ「そこですかっ! 確かにそう言われると...」と思わせるようなマニアな姿勢が面白い。ちょっとドラマの見方が変わるかも!?
■『Brooklyn Nine-Nine』 レイ・ホルト署長
本作は、米テレビ批評家協会(TCA)の投票で「この秋もっとも有望な作品」の一つに選ばれた米FOXの新作コメディ。すでにシーズン1の放送が終了し、シーズン2の更新も見込まれている作品だ。物語の舞台はニューヨークのブルックリン99分署。主演を務めるアンディ・サムバーグ(『サタデー・ナイト・ライブ』)が、有能だが問題行動の多いジェイク・ペラルタ刑事を演じている。しかしDigital Spyが選ぶ人気キャラは、ペラルタではなく、アンドレ・ブラウアー(『ラスト・リゾート 孤高の戦艦』)扮する署長のレイ・ホルト。感情を抑え、揚げ足を取られないよう断固たる姿勢を貫く生真面目なホルトの姿が最高に愉快で、本作で大きな役割を担っていると評価している。ゲイであることを公表しながら警察組織で出世を目指す実直さも人気の理由だという。また、クリスマスエピソードでは、メンバーに負けないお茶目な一面も披露したのだとか。
■『ハウス・オブ・カード 野望の階段』 ピーター・ルッソ
日本でもイマジカBSとスマホ向け放送局NOTTVで放送された本作は、『セブン』『ソーシャル・ネットワーク』のデヴィッド・フィンチャー監督が初挑戦したドラマシリーズ。インターネット配信サービス、ネットフリックスで配信され、エミー賞3部門を受賞した話題作だ。主人公は政界でパワーゲームを繰り広げるケヴィン・スペイシー(『アメリカン・ビューティー』)演じるフランシス・アンダーウッド。しかしDigital Spyがベストキャラクターに選んだのは、コリー・ストール(『LAW & ORDER: LA』)扮する若手議員のピーター・ルッソ。シーズン1終了後も強い印象を残す登場人物だったと評している。当初は単なるイヤなヤツだと思われたが、物語が進行するにつれ、アルコール依存を初めとするスキャンダルにまみれて政治家生命が危うくなるルッソ。そこから知事選の選挙運動へ向かっていく姿に視聴者は釘づけにさせられる。問題を起こしながらも善悪をわきまえている男であることも人気の理由だと解説。結果的に、そんな一面がルッソに悲劇をもたらすことになるのだが...。真の政治家であり、情熱的な恋人、飲んだくれで父親でもある男の多面性を絶妙に演じたストールが、この役でメジャーな賞を授与されなかったのは犯罪だと言うほど大絶賛されている。(海外ドラマNAVI)
※【英国発2013年ベストTVキャラクター】の紹介はまだまだ続く! 次回もご期待ください。
Photo:コリー・ストール演じる『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のピーター・ルッソ
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