『HOMELAND』故ジェームズ・レブホーンが自分の死亡記事を用意していた

『HOMELAND』でキャリーの父親役を演じたジェームズ・レブホーンが今月21日、皮膚ガンで亡くなったことは先日お伝えした。65歳で去った名脇役の死を悼む中、その後の報道でジェームズが生前、自らの死亡記事を用意していたことが明らかになった。

エージェントのダイアン・ブッシュが米The Hollywood Reporterに語ったところによると、闘病中のジェームズは最後の出演作となった舞台劇のキャラクターにインスパイアされ、死亡記事をしたためる決意をしたという。

「His Life, According to Jim (本人による、ジムの人生)」と題した死亡記事は、ジェームズが長年通った教会のホームページに掲載されたもの。ジェームズは生前、性格俳優として映画やTV、舞台に活躍し、100本を超える作品を残したベテラン俳優だが、記事は周囲への感謝の言葉であふれ、故人の謙虚な人柄が偲ばれる内容となっている。また、家族への思いで大半が埋め尽くされており、彼のよき家庭人としての人生を浮き彫りにしている。

まず、記事はフィラデルフィア生まれの出自に始まり、愛情深い両親のこと、彼らの教えが生涯ジムを支えたこと、いつも応援してくれた姉のことなどが淡々と記されている。

さらに、ジェームズは愛する妻と二人の娘たちについて次のように触れている。「三人はジムの人生のよりどころであり、ジムの存在意義そのものだった。もし三人がいなかったらジムの人生は霞のようにはかないものになっていただろう。夫人は欠点の多いジムを丸ごと受け入れ、例を見ないほどの愛情を彼に注ぎ、限りなき愛とはどんなものかを示した。また、娘たちは彼の大きな誇りだった。二人が人類と世界のために貢献する姿を見て、ジムは未来に希望を持つことができた。彼らはジムの死をそれぞれの流儀で悼むだろう。だが、彼らが必要以上に嘆き続けることをジムは望まない。やるべき仕事が彼らを待っている。さっさと仕事に取りかかり、忙しく働くべきだ。時間は飛ぶように過ぎていくのだから」と、遺族へのメッセージを記事に託している。

最後に仕事について、「ジムは好きなことを生業にした運のいい男だった。彼はプロの役者だった」と簡潔に触れ、「類まれな恩師たちと業界一のエージェントに出会わなかったら、大したキャリアは築けなかったに違いない。あらゆる意味で幸運な男だった」と締めくくっている。職人気質で実直なジェームズの人格が偲ばれ、その早すぎる死が改めて惜しまれる。(海外ドラマNAVI)

Photo:『HOMELAND』
(C) 2013 Showtime Networks, Inc., a CBS Company. All rights reserved.