2003年から2010年にかけて米CBSで放送された刑事ドラマ『コールドケース』。『CSI:科学捜査班』シリーズなどを手掛けたヒットメイカー、ジェリー・ブラッカイマーが製作総指揮を担当し、フィラデルフィアを舞台に未解決の殺人事件(通称「コールドケース」)の再捜査に乗り出す捜査チームの活躍を描き、事件が起きた当時のヒット曲を劇中で使用する演出手法と質の高い脚本が高い支持を得て、平均視聴者が1000万人を超えた本国アメリカをはじめ、全世界で大ヒットを飛ばした。そんな同作の日本版がWOWOWで制作されることになった。
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同シリーズがアメリカ国外で制作されるのはこれが初。WOWOWが、開局25周年記念企画としてワーナー・ブラザースから同作のフォーマット権を獲得したことにより実現した。ワーナー・ブラザース作品のドラマを日本版として制作するのもこの作品が初となる。
全10話の本作は、10月よりWOWOWのオリジナルドラマ枠「連続ドラマW」で放送予定。タイトルは『コールドケース~真実の扉~』に決定した。舞台は神奈川へと変わるが、主人公の刑事とそのチームのメンバーが、毎話異なる未解決事件の真相をたどり、事件を解決してゆくというストーリーは同じだ。
メガホンを取るのは『SP』シリーズの波多野貴文。脚本家として、来月より公開となる映画『64-ロクヨン-前編/後編』を手掛けた瀬々敬久、新進気鋭の映画監督である吉田康弘、舞台で多岐にわたり活躍する演出家の蓬莱竜太、『ハゲタカ』の林宏司が名を連ねる。また、音楽を担当するのは、『思い出のマーニー』の村松崇継。
画質にもとことんこだわり、全編4K・HDR(ハイダイナミックレンジ)で制作するにあたり、撮影監督には『シン・ゴジラ』の山田康介を起用した。そしてカメラは、デヴィッド・フィンチャー(『ゴーン・ガール』)をはじめ世界のフィルムメーカーが絶賛する、RED Digital Cinema社の最新機種WEAPONを、TVドラマとしては日本初使用。また、毎回登場する回想シーンはフィルムで撮影。スーパー16mmフィルムで撮り下ろし、これをデジタル処理して4K・HDR制作を行うという手法も日本初である。最新技術とフィルムの併用により、作品の醍醐味である過去と現在とをつなぐ世界観が圧倒的な映像美で表現されることになる。
監督の波多野は「『コールドケース』の一番の魅力は、誰も捜査のスペシャリストではなく、特殊能力があるわけでもなく、人間味あふれる刑事たちが、事件発生当時とは異なる状況にある証人たちと真摯に向き合うことで、当時は解明不可能と思われた未解決事件の手掛かりを見つけ出し、真相にたどり着くところだと思っています。戦後、震災、バブル...日本の激動の時代を生きた人々の感情を大切にし、その時代だからこそ起きた悲しき事件を、現代の時間軸を生きる主人公たちを通して描いていきます。そしてそこには、日本の美しさの象徴でもある四季の風を感じられる、そんなドラマにしていきたいと思っています」と、この作品の魅力と日本版を制作するにあたって目指した点について語っている。
放送終了から5年以上経った今も人気を誇る『コールドケース』を日本で最初に放送したのはWOWOWだった。その同局が手掛ける日本版『コールドケース~真実の扉~』は10月放送予定。また、それに先駆けて、オリジナルが7月にWOWOWプライムにてオンエアされる予定だ。(海外ドラマNAVI)
Photo:『コールドケース~真実の扉~』