注目の次世代イギリス人男優、『シークレット・アイズ』ジョー・コール

近年、ハリウッドは空前のイギリス男優ブーム。トム・ヒドルストン、ベネディクト・カンバーバッチ、エディ・レッドメイン、ベン・ウィショー、トム・ハーディなど様々なタイプの男優が活躍する中、二人のオスカー女優、ジュリア・ロバーツとニコール・キッドマン共演のサスペンス映画『シークレット・アイズ』にも大注目の次世代イギリス男優が出演している。それが、『それでも夜は明ける』のキウェテル・イジョフォー演じる捜査官レイたちが13年間追う容疑者マージン役のジョー・コールだ。

「悪者に生命を吹き込む作業は面白いね。彼らの背後にある人間性というものを理解しようと努めるんだ」と語るジョーは、そうそうたる顔ぶれの中、不気味で独特な雰囲気をまとい堂々たる演技を披露している。ビリー・レイ監督から、撮影セットの外で他のキャストと親しく交流しないように求められたそうで、「キウェテルやニコール、ジュリアとはシーンの撮影以外ではほとんど目も合わせなかった。だから彼らとの交友は文字通りゼロだ。もし全然違うシーンの撮影をしたら面白いことになるだろうね。彼らは現実の僕がどんな人間か知らないし、現実の僕はマージンという役柄とはかけ離れた人間だからね」と舞台裏を明かしている。

ジョーは1988年生まれの27歳。ナショナル・ユース・シアターで経験を積み、青少年犯罪収容所の過酷な世界を描いたスリラー『Offender(原題)』(2012年)の主演で「ここ数年で最も優れた若手俳優の演技」と絶賛された。その後、ダコタ・ファニング共演の『17歳のエンディングノート』やベン・ウィショー主演の『THE HOUR 裏切りのニュース』を経て、ギャング団を描いたBBCのドラマ『ピーキー・ブラインダーズ』で主人公の弟ジョン役で注目された。同作はシーズン3が本国イギリスで今月からスタートしたばかり。新作映画ではキルスティン・ダンスト共演の『Woodshock(原題)』やマイルズ・テラー共演の『Thank You for Your Service(原題)』が待機中だ。元イングランド代表のサッカー選手と同姓同名だが、映画・ドラマで注目の存在である俳優ジョー・コールの名が広く知られる日は遠くないかもしれない。

なお、本作にはジョーのほかにも、『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のマイケル・ケリー、『LAW & ORDER:LA』のアルフレッド・モリーナ、『ブレイキング・バッド』のディーン・ノリスとドラマでおなじみの顔ぶれが集まっている。

2002年、ロサンゼルス。殺人事件の現場に駆けつけたFBI捜査官のレイ(キウェテル・イジョフォー)は、被害者を見て言葉を失う。その死体は、テロ対策合同捜査班の相棒で、親友でもある検察局捜査官のジェス(ジュリア・ロバーツ)の愛娘だったのだ。レイはエリート検事補のクレア(ニコール・キッドマン)とともに捜査に乗り出し、一度は容疑者を特定するものの、FBI組織内の事情により真相は闇に葬り去られてしまう。それから13年が経ち、驚愕の事実が紐解かれてゆく。

アカデミー賞外国語映画賞をはじめ様々な賞に輝いたアルゼンチン映画『瞳の奥の秘密』(2009年)をベースに、ビリー・レイ監督(『ニュースの天才』)が豪華キャストで新たに作り出したサスペンス『シークレット・アイズ』は6月10日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開。(海外ドラマNAVI)

Photo:ジョー・コール(『シークレット・アイズ』)
(C) 2015 STX Productions,LLC.All rights reserved.