『ハリー・ポッター』シリーズのドラコ・マルフォイ役で世界的な知名度を築き、以降も映画やドラマで活躍するトム・フェルトン。彼が来日し、5月6日(金)に新作映画『復活』の舞台挨拶付試写に登壇した。
『恋におちたシェイクスピア』のジョセフ・ファインズ主演の同作は、イエス・キリストの復活を、彼を処刑したローマの司令官の視点から描く歴史ドラマ。ジョセフが主人公のクラディアスを演じ、トムは彼の部下ルシウスに扮している。
日本語を習っているところだというトムは、「アリガトウゴザイマス」「コンニチワ」などと日本語を披露しながら登場すると、冒頭の挨拶で「で、この映画の感想は?」と作品を観終わったばかりの観客に質問。
その後はファンとの質疑応答がスタート。この映画に出ようと思った理由については「世界で最も有名なストーリーであるキリストの話を、新たな切り口で描いているところに興味を覚えたんだ。それと、監督がケヴィン・レイノルズだったことも動機の一つだね。アラン・リックマンが出演していた『ロビン・フッド』など印象的な作品を数多く撮っていた監督だから、ぜひ一緒に仕事がしてみたかった。それに、ジョセフ・ファインズと共演できることも魅力だったよ」と、『ハリポタ』シリーズでスネイプを演じたアランの名前も挙げつつ説明した。
最も感動したシーンを聞かれると、トムはクラディアスが復活したキリストを見たところで、「今思い出しても感動する」と返答。自分自身はそれまでは宗教的に敬虔なタイプではなかったが、この作品を通して不可知論者となり、人生も変わったことを告白した。その経験は演技をする上でも役立ったそうで、「彼は今まで自分が信じていたことすべてが真実ではなかったと知るわけだけど、宗教的な教えをどう消化していくべきかということを僕自身がちょうど経験していたので、それをルシウスという役にも生かすことができたと思う」と続けている。
また、本作の撮影中には多くのアクシデントに見舞われたとのこと。キリストが磔刑に処されるシーンでは、自分の乗った馬との相性が良くなく、大勢のエキストラが興奮した演技を見せる横で馬をコントロールすることに四苦八苦したそうだ。
この質疑応答の合間にも、ファンにハグしたり握手したり、カメラマンのカメラを借りて会場を写したりと、ファンを絶えず楽しませていたトム。「あなたたちファンがいるからこそ、僕はこの場にいることができるんだ」と、感謝のメッセージも送った。
そんなトムは東日本大震災の際にいち早く寄付を募ったことでも知られているが、MCからそのことを紹介されると、「困った人々を助けることは、僕の誇りであり義務。日本をはじめとするアジアのみなさんには僕自身や僕の出演作に多くのサポートをもらっているから、それに対する感謝の気持ちも込めて、僕ができることをしたいと思っているよ」と、熊本の震災についても触れながら支援に対する思いを語った。
トムの人生観を変えた映画『復活』は5月28日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。また、彼とジェイソン・アイザックス(マルフォイの父ルシウス役)という『ハリポタ』のあの親子がそろって登場する「ハリウッド・コレクターズ・コンベンション No.9」が5月7日(土)、8日(日)の10:00~18:00、九段下のホテルグランドパレスにて開催される。(海外ドラマNAVI)
Photo:トム・フェルトン