亡きゲイリー・マーシャル監督作品の常連だったあの人が想い出を語る

世界中で大ヒットとなったロマコメ映画『プリティ・ウーマン』や、アンサンブル恋愛映画『バレンタインデー』を監督し、7月19日に81歳で逝去したゲイリー・マーシャル。同監督の映画作品の常連で、『プリティ・ウーマン』ではホテルの支配人バーニーを演じていたヘクター・エリゾンドが、亡き監督について想い出のエピソードを語っている。米Peopleが報じた。

へクターは、1982年の映画『病院狂時代』以来、マーシャル監督の映画18本に出演し、監督とは34年間にもわたって交友関係を育んできた。映画の仕事以外でも、ラジオ番組や舞台でタッグを組んできた二人は、プライベートでも一緒に野球などの試合でプレーする仲だったのだとか。

そんなへクターが、監督が撮影現場でどのように俳優に接していたかについて述べている。「監督は、各シーンで望み通りの演技を俳優から引き出していた。いつも温かくユーモアのある言葉やハグで励まし、本当によくハグをしていたよ。ちゃんと効き目があったんだ。例えば、コメディ作品に出たことがない若手俳優が、緊張していて役に入り込めないでいると、彼の肩を抱き続けるんだ。ハグで効果がなければ、撮影の合間に誰かに俳優の背後に忍び寄らせて、顔にパイをぶつけさせてた。効き目はバツグンだったよ!」と明かされた舞台裏によると、監督は現場を盛り上げて緊張を解くことがうまかったようだ。

また、次のようなエピソードも披露している。気難しいことで有名な俳優が、マーシャル監督の手掛ける舞台に出演することになった時のこと。その俳優がチェスに入れ込んでいることを知った監督は、実際はプロのチェスプレーヤーである人物を劇場スタッフとして雇い、空き時間に俳優とチェスに興じさせたという。そのおかげで、気難しいはずの俳優が、リラックスした雰囲気で舞台に挑めたのだそうだ。

長年にわたって素晴らしい関係を築いてきた監督が亡くなり、きっとへクターは寂しさを感じていることだろう。ハリウッドで多くの業績を遺したマーシャル監督の冥福を心よりお祈りしたい。(海外ドラマNAVI)

Photo:ヘクター・エリゾンド
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