世界初リメイクの日本版を生んだオリジナル、『コールドケース』の魅力とは

9月6日(水)にブルーレイ&DVDがリリースされる『連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~』。本作は米CBSで放送され、全シーズンの平均視聴者数が1000万人を超える大ヒットシリーズ『コールドケース』の世界初リメイク作品だ。オリジナルの主演キャスリン・モリス(映画『マイノリティ・リポート』)に代わって主役を務めるのは、連続ドラマ初主演の吉田羊。2010年の放送終了後も根強い人気を誇るオリジナル版の魅力について、海外ドラマ評論家の池田敏が解説している。

吉田羊主演のクライム・サスペンス『連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~』は、2003年から7シーズンも続いた全米大ヒットドラマ『コールドケース』を世界で初めてリメイクした話題作だ。日本のWOWOWと、『コールドケース』を製作した米国のワーナー・ブラザースによる日米合作で、オリジナル版ではフィラデルフィアだった舞台を日本の神奈川県に置き換え、日本人にも親しみやすい上、大いに楽しめる仕上がりとなった。

オリジナル版は映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズで知られるハリウッドの大物プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーが製作総指揮。原則的に各エピソードで事件が解決する一話完結形式で、フィラデルフィア市警殺人課の面々、女性刑事リリー・ラッシュらが過去に起きた未解決凶悪事件、通称"コールドケース"の再捜査に挑む。全米各地の警察には未解決事件を担当する"コールドケース・ユニット"がある場合が多い。全米の多くのエリアでは死刑に相当する凶悪犯罪に事実上、時効がないからだ。

リリーら捜査陣は、犠牲者を知る当時の関係者たちに会い、当時を思い出してもらう。全156話で最も古い事件は、1919年に起きた、女性参政権を求める運動家が怪死を遂げた事件だった。各話、事件発生当時の社会のルールや偏見に抑圧され虐げられていた、社会的弱者が犠牲者になりがちで、女性が多いことはよりそのことを強調する(主人公のリリーが女性である理由も明確)。差別をしていた側もそれを受け入れていた側もいずれも口が重く、捜査は難航するが、真実の扉を開こうとした者の勇気ある証言、あるいは罪の意識に押しつぶされた犯人の自白により、ようやく事件は解決に向かう。言うなれば米国の現代史の闇を手探りでめぐる、知的で刺激的、だが感動も大きい、空前絶後のミステリーがオリジナル版『コールドケース』だった。そしてブラッカイマー作品とあって視覚面も秀逸。関係者たちが昔を振り返る回想シーンを、古い事件ならモノクロやセピア色の映像で描き、家庭用ビデオが普及した時代なら当時のビデオカメラを使って収録するなど、ノスタルジーを未体験のレベルにまで高めた。

そんな全米ヒットドラマの神髄に、日本の精鋭スタッフや一流キャストがどう迫ったか。『連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~』、ぜひその目で見て確かめてみたい。(TEXT:池田敏)

■商品・配信情報
・『連続ドラマW コールドケース ~真実の扉~』
9月6日(水)ブルーレイ&DVD発売、DVDレンタル開始/デジタル配信開始
ブルーレイ コンプリート・ボックス(2枚組)...24,000円+税
DVD コンプリート・ボックス(5枚組)...19,000円+税
発売・販売元:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

・『コールドケース 迷宮事件簿』シーズン1~7
デジタル好評配信中

(海外ドラマNAVI)

Photo:『コールドケース』
(c) 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.