オスカーにも輝いたベテラン女優のジョディ・フォスター(『羊たちの沈黙』)がNetflixオリジナルシリーズ『ブラック・ミラー』シーズン4でメガホンを取ったことはすでにお伝えした通り。これまでもNetflixの『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』や映画『マネーモンスター』でメガホンを取ってきた彼女が、本作で監督を務めたことについて米Indie Wireのインタビューで明かした。
本作は、急速な進化を遂げたテクノロジーがもたらす歪みと人間の醜い業が生み出す、不思議で奇妙な世界を描いたオムニバスSFシリーズ。これまでの4シーズン、全19話の中で唯一の女性監督となったジョディの存在感は『ブラック・ミラー』に確実に恩恵をもたらした。
これまでもいくつかのNetflixのドラマでメガホンを取ってきたジョディだが、本作での仕事はそれらのどれとも違っていたと話している。オムニバス形式の『ブラック・ミラー』において、ジョディはただ演出をするだけではなく、自分が手掛けるエピソードのキャスティングやチームスタッフ集めも行ったのだそう。そのため、まるで小さいインディ映画を製作するような感覚だったという。
彼女が監督を務めたシーズン4第2話「Arkangel(原題)」は、娘を心配するあまりいきすぎた行動をとる母親を描いた作品。子どもを監視できるシステムが内蔵されたチップ「Arkangel」が娘の脳内に埋め込まれ、そのチップが及ぼす弊害を描いている。ジョディは科学技術だけでなく、女性監督として、そして一人の母親として、女性の物語を描きたいと考え、母親役にローズマリー・デウィットを選んだ。
実はローズマリーはジョディの友人。自身の友人をキャスティングしたのは初めてだったというジョディは、「これはローズマリーにとって素晴らしい経験になるだろう」と思ったものの、友人と仕事をすることに戸惑いも感じていたという。友人という関係でありながら演出する側と演出される側になるという関係性に不安も感じ、自分から直接連絡するのではなく、エージェントを通してオファーしたほどだったそうだ。
しかしローズマリーはジョディとの仕事を熱望していたと言い、「私は彼女と仕事をしたかったわ。彼女にディレクションして欲しかったの。彼女の作品へのビジョンに貢献したかったし、それはとてもスリリングなことだったわ」とコメントしている。
『ブラック・ミラー』はNetflixにてシーズン1~4が配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:ジョディ・フォスター
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