米CWの大人気コメディシリーズ『ジェーン・ザ・ヴァージン』で主演を務めるジーナ・ロドリゲスが、エミー賞の伝統を破り、一人の若い女性の人生を救おうとしている。米Entertainment Weeklyが伝えた。
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エミー賞のノミネーションは毎年7月に発表されており、この時期が来ると各TV局&製作スタジオは俳優やクリエイター、作品に巨額の投資をして、ファンの支持獲得を目指したFYC(For Your Consideration=是非ご検討ください)キャンペーンを行っている。しかし、『ジェーン・ザ・ヴァージン』を放送している米CWはジェーンからの提案により、今年、通例にはないことをしようとしている。ジーナに充てられるはずのFYC資金を、ある高校生の大学費用援助に費やすというのだ。
2015年からヒスパニック奨学金基金のメンバーであるジーナは、Big Brothers Big Sisters of Greater Los Angelesという団体と提携し、今秋から米アイビーリーグに属する名門プリンストン大学に進学予定のラテン系の女子高校生の援助を決定した。彼女は正式な移住証明書を有していない、いわゆる不法移民の学生で、『ジェーン・ザ・ヴァージン』の支援により財政的負担なしで4年間学位習得に励むことができるようになる。
ジーナは2015年のゴールデン・グローブ賞でTVシリーズコメディ/ミュージカル部門の女優賞を受賞し、2016年と2017年にも同カテゴリーにノミネートされているのだが、実はこれまでエミー賞にノミネートされたことは一度もない。
「番組はいつも、ラテン系コミュニティを助ける機会があれば後押ししてくれてきた。だから私はショーランナーのジェニー(・スナイダー・アーマン)に、今年のお金で何か違うことができないかと聞いたの」
現在、米国トランプ大統領は移民を取り締まるためにメキシコ国境で非常に厳しい措置を取っており、世界中から批判の声が集まっている。若者たちに対しては、DACA(若年移民に対する国外強制退去の延期措置)やDREAM Act(不法移民でも真面目な若者には居住権を与えるという政策)といったプログラムも用意されているが、ジーナが選んだ学生がこれに適用されるかはわからない。
『ジェーン・ザ・ヴァージン』はラテン系のアイデンティティと移民問題について深く関わってきた。あるエピソードでは、ジェーンの祖母アルバが、40年間にわたって不法に滞在していたが、正式に市民権の獲得を目指して動き出すという物語が描かれたこともある。
ジーナはこれまでも学生ローンを払うことの難しさについて語っており、昨年はティーン・ヴォーグの中で、ニューヨーク大学の芸術学部に通うためのローンを払うのに、ゴールデン・グローブ賞に2度目にノミネートされた日まで11年かかったことを明かしていた。(海外ドラマNAVI)
Photo:ジーナ・ロドリゲス
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