端正な顔立ちと引き込むような演技力を備えた俳優の存在が、新作映画やドラマに興味を持つきっかけになることはよくある。俳優に求められる資質は数あれど、ルックスは重要なポイントの一つだ。紳士の国として知られるイギリス出身の男優の中から、今話題のイケメン俳優をピックアップしてみよう。
■ロマンスはお手のもの、サム・ヒューアン
スコットランド出身のサムは、英米合同製作のファンタジー・ロマンスドラマ『アウトランダー』で知られる。18世紀が舞台のこのドラマに、イングランド軍の追っ手がかかったジェイミー役で出演。現代からタイムスリップした看護婦のクレア（カトリーナ・バルフ）とロマンスを育みつつ、底意地の悪い軍人に立ち向かう。官能的なボディ・ラインを披露したことで話題になったシリーズ。
現在38歳のサムは、デビュー以前、現在の英国王立スコットランド音楽院（旧音楽ドラマ院）で役者としての技量を習得。以降、同性愛者への迫害を扱った英Channel 4のクライム・ドキュメンタリー『A Very British Sex Scandal（原題）』や、米The Hallmark Channelの恋愛コメディ映画『A Princess for Christmas（原題）』などで活躍。私生活では2014年にスコットランドの独立運動を支援したほか、チャリティのために世界最大規模のハーフマラソン「Great North Run」に参加するなど、慈善活動に積極的に関わっている。
■ワイルドかつ知的、トム・ハーディ
今年40歳になったトムは、プロデューサーとしての顔も持つ多才な男優。画家の母親とライターの父親の下、クリエイティブな環境で育った。いくつかのイギリス作品への出演を経て、2001年、米軍のソマリア軍事介入を描いた映画『ブラックホーク・ダウン』でハリウッド・デビュー。2010年、クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』で一躍世界的に名を馳せた。作中では知的で口の上手いイームス役として登場。ケニアに居たところを、ドム・コブ（レオナルド・ディカプリオ）にスカウトされるという役どころ。
2015年に出演した映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』では、ロケ予定地の天候不順のため急遽ナミビアの砂漠で撮影を敢行。復讐、裏切り、禁断の愛を描いたドラマ『TABOO』ではアフリカに消えた主人公ジェームズを熱演するなど、アフリカとは不思議な縁がある。
私生活では愛犬家として知られるトム。自邸にいる二頭のうち一頭は、飼い主のいない元ペットを保護するキャンペーンの一環として引き取ったもの。人当たりの良いその優しい視線を、プライベートでは愛犬にも注いでいる。
■異色のキャリア、ジェラルド・バトラー
スコットランド出身のジェラルドは、もともと弁護士を目指していたという異色の経歴を持つスター。今年49歳になる彼は、アイリッシュ系の両親の下に生まれ、学生時代は熱心に法律を学んでいた。その道に進んだ彼だが、ある日ロンドンの喫茶店で俳優のスティーヴン・バーコフに見初められ、舞台での役を獲得。これをきっかけに演劇の道へ進むことを決意する。金銭的に厳しい生活を経験しながらも、1997年には映画『007／トゥモロー・ネバー・ダイ』で水兵の端役を得るなど、地道にキャリアを積んだ。
複数の映画作品での経験を経て、米USAネットワークのミニドラマ『騎馬大王アッティラ/平原の支配者』と映画版『オペラ座の怪人』で大ブレイク。海外進出にあたり課題となっていたスコットランド訛りの克服にも成功する。『300 〈スリーハンドレッド〉』では、スパルタの英雄レオニダス王役で主演。その勇姿と肉体美で世界を魅了した『エンド・オブ・ホワイトハウス』『エンド・オブ・キングダム』では出演と共に製作もこなすオールラウンダー。
Photo：トム・ハーディ、サム・ヒューアン、ジェラルド・バトラー
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