『MACGYVER/マクガイバー シーズン2』宮野真守×土田大 直撃インタビュー!「僕らが吹き替えていることが一番の魅力になれば」

科学の知識と機転を利かせてあらゆるミッションを遂行していくユニークなヒーロー、マクガイバーの活躍を描く『MACGYVER/マクガイバー』。本作は全米にて2016年9月より放送開始直後にシーズン1のフルシーズン製作が決定、すでにシーズン3の更新も発表されている。そんな大人気アクション超大作のシーズン2が8月8日(水)よりスーパー!ドラマTVにて独占日本初放送となる。

主人公アンガス・マクガイバー(以下マック)の声を担当するのは、声優・歌手としてだけでなく、近年はミュージカル『王家の紋章』や劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月など舞台でも活躍する宮野真守。マックの頼れる相棒ジャック・ダルトンの声を担当するのは、数々の海外ドラマの吹き替えで存在感を放っている土田大

今回はこの二人を直撃! 笑いの絶えないインタビューの中で、シーズン2の見どころ、マックとジャック、そして本人たちの関係などを語ってもらった。

宮野真守×土田大 直撃インタビュー!

――シーズン1ではマクガイバーのお父さんの件のほかに、ラストで宿敵・マードックが脱走するなど、シーズン2へ向けて気になることがいろいろとありましたが、新シーズンではマックとジャックにどんな物語が待ち受けているのでしょう?

宮野:ジャックにいろいろあるんですよ。彼にまつわる個人的なお話で、ライリーのお父さんとお母さん関連とか、新しい想い人とか、ジャックに関する人がいっぱい出てきます。ジャックは、シーズン1で登場したジェナヴィーヴが忘れられなくて、「新しい恋ができない」とか言ったりも。シーズン1からのつながりでジャック絡みのネタがいっぱい出てきます。

土田:結構多いよね。ネタばれみたいになっちゃいますけど、マックとジャックがなぜ今こうなっているのかというエピソードがシーズン2であるんですよ。面白いのでぜひ見てください(笑)

――マックにはシーズン2でどのような展開が待っているのでしょうか?

宮野:マックに関しては、お父さんの謎がちょっとずつ明かされていきますね。お父さんの謎が少しずつ解かれていくたびに、また悩んで迷ってという展開がシーズン2では多いです。でも、それがメインのお話になってくるというよりも、ずっと静かに伏線として張られていって、モヤモヤを抱えながらも大きな任務に向かっていくという、ある種のミステリアスな展開もあります。マックはそこが見どころですね。それと、僕らだけでなく、他のキャラクターも結構フィーチャーされるんですよ。そこも面白くて、特にボーザーがすごいんです!

土田:シーズン2はボーザーがさらに面白いよね。

宮野:ちゃんとエージェントの訓練を受けるし。

土田:ボーザーを吹き替えている安田裕くんに、「今日のインタビューで安田くんを推してくるよ!」と言ってきたから、ぜひ言いたいんですよ(笑)

宮野:「安田さんの話しかしませんよ」って言ってきました(笑)

土田:「やめてください!」って安田くんは言ってたけどね(笑)

宮野:吹替版の安田節がまたイイんですよね。

――このドラマはマックとジャックの関係が大きな魅力の一つですが、彼らは互いの良さをどのように考えていると思われますか?

宮野:ジャックの良さは愛情深いところだと思いますね。マックのいろんな境遇に対して、おせっかいなぐらい気を使ってくれますから。その気持ちがあるから、「この人は絶対に自分を裏切らないだろうな。見捨てないんだろうな」という安心感をマックはジャックに抱いているんですよ。だからこそ、無茶もできるし、悪態もつけるし、時にはわがままも言えるというのがあるんですよね。マックはそういうところが子どもなので、ジャックに頼ってる部分は非常に大きいと思います。

土田:エピソードにも出てくるんですけど、僕が思うジャックはマックみたいな人間を最初は受け入れないんですよ。絶対に。「なんだこいつ、もやしっ子め」みたいなね(笑) ところが、マックは食らいついてくるから、反目すればするほど、あるラインを超えてしまうともう欠かせない存在になるという立ち位置だと思うんです。シーズン1で、過去の話としてカイロのエピソードがいろいろとありましたけど、結局あれは謎なんですよね(笑)

宮野:もしかしたら、製作側も細かいことを考えてないかもしれない(笑)

土田:そうだよね。言わせておけみたいなね(笑) そんなことがあって、何かをきっかけに二人の間にグッと信頼関係ができたんじゃないのかなと俺は思っていますね。それはもう何ものにも変えがたいものだし、ある意味、相棒っていう部分もあるんですけど、それよりもファミリーという感じかな。

宮野:そうですね。

土田:そういう側面ものぞかせながら二人は一緒にいるんじゃないかと思っています。ジャックは親父じゃないんだけど、家族めいたつながりみたいなものかな。家族とはいろいろとあっても許せたりするじゃないですか。そういうところを吹替で表現するのが特に最初は難しかったかもしれないですね。あんまり仲良く表現したりすると逆に違和感があるし、あんまり素っ気なくても距離感があるように思えるし。でも、今はもう全く考えずにできていて、自然と生み出されたものじゃないかなと思いますね。

――それはシーズン1を通して生み出されたんですね。

宮野:それは大きいですね。実際、物語の中でも彼らが信頼し合っているところが描かれていくじゃないですか。そういうところから、1回信じたらというのがお互いにあるんだと思いますね。それは本当に大きなつながりで、それがあるからこそ日常の軽いノリが、単なる仲良しこよしじゃないんだろうなと思える。僕らも話数を重ねるごとに見えてくるものがありますね。

土田:シーズン2、乞うご期待だね(笑)

――マックとジャックはお互いにかけがえのない存在になっているということですが、宮野さんと土田さんのコンビネーションがシーズン1からパワーアップしているなと感じる瞬間は?

土田:最初から全開だったからね。

宮野:全開でしたね。本当に全力でやらないとできない作品だから。

土田:ある意味、マモ(宮野さんのあだ名)が忙しくて時間がないのに、これだけ仕上げてくるなら、俺もやっぱやっていかなきゃと。そういう触発はお互いにしていると思います。実際にこれについて話したことはないですけどね。でも、「マモがここまでやってくるなら、ここまでやっていかないと!」というのはあります。

宮野:嬉しいです。

土田:手は抜けないですよね。

宮野:僕も現場で土田さんのジャックを聞いてかなり衝撃を受けました。吹替のお仕事に対して、僕は「どういう現場なんだろう?」と、まだ緊張してしまうんですよ。ともすれば知り合いも土田さんしかいないかもしれないという。そういうところで、本作の収録現場にドキドキしながら行ったんですけど、皆さんすごく優しくて、集中力の高い現場だったんですよね。だから、自分の仕事にまっすぐ向かっていけたんです。その中で土田さんが声も枯れるぐらい毎話全力で、しかも今まで聞いたこともない声だったから、「知らない土田さんがいる!?」って(笑) ここまで試行錯誤を重ねてらっしゃって、更に現場では全力でという土田さんの姿を見せられると、「この掛け合いが面白くなかったら絶対ダメでしょ!」とすごく思うんですよ。だから、それをしっかり受け取ったお芝居にしたいというのがありました。なので、現場で作られたまた新たな信頼関係でもあるんでしょうね。

土田:そうね。マモが「あー、ジャックと話していると落ち着く」って1回ポロッと言ったんですけど、それを聞いて「こいつめ!」って思った(笑)

宮野:(笑)

土田:収録ブースのマイク前で一緒にやって、後ろに下がった時かな。そこでマモがポロッと言って、「またまた。何を言ってるんだか」と思った(笑)

――そういう関係性が吹き替える際にも表れてくるのでしょうか?

土田:アテレコといっても、別にマイクに語りかけているわけではないですからね。同じ空間という意味では、舞台とかとそんなに変わらないので。やっぱりそういうところで、お互いのやり取りがスムーズにいかないと、良いセリフ劇というか、会話にはなっていかないですから。これが、自分がやらなければと前面に自分を出してしまって、お互いが本当にそれしか考えていないような表現になってしまったら、それはもう全然噛み合わないものになってしまいますからね。その辺は狙ってできることじゃないんですよ。狙おうとすることはできるんですけど、実際にでき上がるものは、そうではない時もあるし。今回はたまたまマモとこういうバディものをやらせてもらって、最初は俺も実はちょっと久しぶりすぎで、マモはもうびっくりするような大スターになっちゃっていたから、「あー、もうどうしよう。緊張するなあ......」と思ってた(笑)

宮野:僕もそうでしたよ(笑)

土田:本当に思ってたんだよ(笑) ところがね、マモが昔とある意味で全然変わってなかったから、すごく安心して身を委ねられた。お互いに収録で失敗することもあるんだけど、その時もフォローアップじゃないですけど「バッチこーい」みたいなね。だから安心して、セリフを噛めます(笑)

宮野:(笑) いや、そういうのは大事ですよ。この作品では特に大事。畳みかけるセリフをキャラクターごとに別々に声を録らないで、各キャラクターのセリフがかぶってようが何しようが、息が入ってようがね。一緒に収録しちゃうんですよ。

土田:一緒に収録して、「本当に今の大丈夫だったのかな?」と心配になる時があるよね。「もう一回やりましょうか?」みたいに思っちゃう(笑) 演出家の方からダメ出しされていないから、たまに放置する時もあるんだけどね(笑)

宮野:でもやっぱり、そこですよね。そういう現場なので信頼関係が生まれますよ。そういう風にやらせてもらえるのは珍しいですし、楽しいですね。

――そんな現場から生まれる日本語吹替版『MACGYVER/マクガイバー』の魅力はどんなところでしょう?

土田:最近の作品はテンポが速いんですよ。昔みたいなゆったりとした流れの中でヒーローやヒロインを映してゆっくりセリフをしゃべったりとかは、あまりにも今の社会が受け入れないから、とにかくスピーディーな展開でいっちゃう。そうすると字幕がダメというわけではないんですけど、特に雰囲気ですよね。例えば、吹替版は僕らがしゃべっている後ろで誰かがしゃべっていても、全部それが日本語で入っているから、雰囲気ができやすいんですよ。臨場感というかね。それは吹替版のメリットかなと思います。それと、ながら見ができることですね。視聴者さんにとって何が良いって、お掃除やお洗濯しながらでも、なんとなくやっていることは分かるみたいなね(笑)

宮野:僕らが吹き替えているということが一番の魅力でありたいなと。原音は原音で素晴らしいし、それを比べるとかじゃなくて。僕らが吹替でお芝居をする時に、僕らの味が出て、それで「こいつらも面白いね」という風に思ってもらえたら嬉しいですから。自分らがやっているということが最大の魅力になるべきだという思いでいつもやっています。

――スピーディーだからこそ、お二人の掛け合いが吹替版の魅力につながっているんですね。

宮野:掛け合いの面白さという意味では、もしかしたらそうかもしれませんね。

土田:複数のキャラクターのセリフがかぶっているところは、字幕では一人のセリフしか出せないからね。

宮野:かぶりが多くて、吹き替えをやっていても大変なんですよ(笑)

土田:かぶっていないセリフの方が少ないよね。

宮野:今日も収録があったんですけど、すごかったですよね。

土田:今日は真骨頂でしたよ。

宮野:4人ぐらいがいっぺんにしゃべっていましたよね。老夫婦が喧嘩している後ろで、僕らが説得するみたいなシーンがあるんですけど、これは字幕じゃ絶対に無理ですよ(笑)

――最後に、シーズン2をご覧になる方々へのメッセージをお願いします。

土田:マックが科学の知識でいろいろなことをしますけど、良い子は絶対にマネしないでください(笑) いや、本当にマネしたくなるんだけど、しちゃダメですよ!

宮野:確かに(笑)

土田:昔、俺もコンセントにドライバーを突っ込んだことがあって、本当に火花が飛び散って驚いたことがあるんですよ(笑) だから、良い子は絶対にマックのマネをしないでください(笑)

宮野:シーズン2もお話がすごく面白いんですが、マックがどんな仕掛けで毎回事件を解決してくれるんだろうというのが、マネしたくなる面白さです(笑) 「そう来るか!」という仕掛けが今回もありつつ、「ジャックをそう使うの!?」みたいなジャックが道具になることもあります(笑)

土田:あったね(笑) 「マジか!?」ってなるよね。

宮野:そこがやっぱり面白いし、迫力も増しているんです。すごい爆発が起こったりとかね。

土田:以前ならCG使ってたのが、シーズン2は実際に爆発させてたりするよね。

宮野:そういう迫力が増したところも魅力だと思います。さらには伏線が、物語の広がりを見せてくれます。謎もそうですし、登場人物もシーズン1で出てきた人たちが再登場して、ファンにはたまらない関係性がどんどんと出てきます。連続して見ていれば見ているほど興奮する内容になっています。ですから、引き続きシーズン2も応援してもらえれば、また楽しい時間を過ごしていただけるんじゃないかと思っています。

(取材・文/豹坂@櫻井宏充)

『MACGYVER/マクガイバー シーズン2』は、スーパー!ドラマTVにて8月8日(水)22:00より独占日本初放送!

Photo:宮野真守、土田大
『MACGYVER/マクガイバー シーズン2』
(c)MMXVIII CBS Broadcasting, Inc. All Rights Reserved.
<ヘアメイク>
宮野・・・NAKATANI(C+)
土田・・・HORIE(C+)
<スタイリスト>
横田勝広(YKP)
衣装提供:
DEAL DESIGN
ディールデザイン新宿マルイメン店