『HOMELAND』好きがハマる確率100パーセント!? スパイドラマの傑作『ジ・アメリカンズ 極秘潜入スパイ』

レーガン政権下、米ソ冷戦を背景に、米国に潜伏するソ連スパイ夫婦の活動を追ったサスペンスドラマ『ジ・アメリカンズ 極秘潜入スパイ』は、同じくスパイ作品として日本でも人気を博す『HOMELAND/ホームランド』と双璧をなすドラマとして注目を集めている。息詰まる攻防戦を展開する両作は、まさに視聴者を釘付けにする要素が満載! ライターの坂田正樹による比較コラムを抜粋でご紹介しよう。

■リアルなタイトルバックが示す歴史的背景

湾岸戦争に端を発し、2001年9月11日の同時多発テロに繋がる脅威、その悲劇を予見できなかったCIA特殊部員の苦悩を交錯させながら物語が展開する『ホームランド』。1960年代の冷戦時代の米ソを対比させながら激しい攻防戦の期待を煽る『ジ・アメリカンズ』。時代の違いはあるが、両作とも歴代大統領の緊迫した姿や核爆発、テロの惨劇など、実際の衝撃的ニュース映像をコラージュさせながら、「これは実際に起きた事件を背景にした"リアルなスパイ戦"である」ことを示している。

■米ソのスパイ組織を中心とした対立軸

『ホームランド』はCIA対テロ組織の攻防、『ジ・アメリカンズ』はKGB対FBIの水面下の激しい戦いと、いずれもスパイ組織を中心に主人公が能力を発揮し、危機迫る状況に立ち向かう。さらに、敵あるいは敵の可能性がある人間が「近しい存在」であるところも類似点。『ホームランド』では、CIA特殊部員が捕虜生活により敵に寝返った可能性のある元仲間の米海兵隊員と対峙する。一方『ジ・アメリカンズ』は、米国人夫婦になりすましたKGBスパイたちの家の隣にソ連スパイ担当のFBI捜査官が引っ越してきたことで緊張感が走る。

■スパイといえども感情を持った人間

躁うつ病を患いながらも、テロ撲滅に異常なほどの執念を燃やす『ホームランド』の主人公・CIA特殊部員キャリー(クレア・デインズ)は、鋭い直感をキープするため薬物治療を拒み続け、唯一理解を示す容疑者の元海軍隊員ブロディ(ダミアン・ルイス)と禁断の恋に落ちていく。

『ジ・アメリカンズ』のKGB夫婦、フィリップ(マシュー・リス)とエリザベス(ケリー・ラッセル)もまた、揺れ動く。米国暮らしに馴染みすぎて寝返りをほのめかす夫、両親がソ連のスパイと知らない子供たちや長年騙し続けてきた友人への罪悪感、そして偽夫婦に芽生える真実の愛...。スパイとしてはミステイクだが、人間味溢れる行動もある。

『ホームランド』も『ジ・アメリカンズ』も、巧みに仕掛けられた敵の罠、政府の陰謀、内部の裏切り、壮絶なカーチェイス&銃撃戦、爆破シーンも映画並みの迫力だ。嘘発見器やスマホ、パソコンを駆使しハイテク化した『ホームランド』。変装(成りすまし)やハニートラップ、盗聴など、ローテク時代が舞台の『ジ・アメリカンズ』では、工夫を凝らしたスパイの技にも目を奪われる。見比べてみると、類似点に共感するとともに、双方の時代背景や敵対関係によって生まれる独特の世界観にハマること請け合いだ。

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『ジ・アメリカンズ 極秘潜入スパイ』は、シーズン1&2が9月5日(水)にDVD発売、同日レンタル開始。以降ファイナルシーズンまで5ヶ月連続でリリース。DVDコレクターズBOXには、町山智浩氏が徹底解説する「パーフェクトガイド」が封入される。

『HOMELAND/ホームランド』は、ファイナルシーズンとなるシーズン8が、米Showtimeで2019年6月に放送予定。日本では、シーズン7が10月5日(金)ブルーレイ&DVDが発売予定。(海外ドラマNAVI)

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『ジ・アメリカンズ 極秘潜入スパイ』
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『HOMELAND/ホームランド』シーズン7
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