そろって結婚式へ向かう仲良し4人組。しかし複雑に入り組んだ恋模様に、嵐の予感は絶えず...。4つの結婚式と1つの葬式を描く英国発のロマコメ『Four Weddings and a Funeral(原題)』は、1994年のヒュー・グラント主演映画を大胆にリメイクした意欲作。全10話のミニシリーズは、7月末から米Huluで配信中だ。
親友の結婚式前に運命の出会い
アメリカ人女性のマヤ(『ゲーム・オブ・スローンズ』のナタリー・エマニュエル)は、親友エインズリー(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のレベッカ・リッテンハウス)の結婚式に参列するため、ニューヨークからはるばるロンドンへ。空港に降り立つと、恋人と別れた直後にもかかわらず親友の式へ向かうマヤに報いるかのように、ハンサムな青年カシュ(『BEDLAM -ベッドラム-』のニケシュ・パテル)との出会いが。しかし後日、彼はエインズリーのフィアンセだと判明する。現実はそう甘くないようだ。
ともあれ、ロンドンに着いたマヤはエインズリーら旧友との久々の再会を楽しむ。学生時代からマヤに惚れているダフィー(『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のジョン・レイノルズ)、そして恋人に何か隠し事をしている様子のクレイグ(『めっちゃ ソー・ランダム』のブランドン・マイケル・スミス)らとの気の置けない語らいを通して芽生えつつある新しい恋、それぞれの抱える人生の悩みが複雑に交錯するロマンティック・コメディだ。
華やぐ日々を盛り上げるキャストたち
キャラクターたちが繰り広げる愉快で騒々しい日々には、観ていて否応なく気分が盛り上がる。そんなハッピーなムードを演出しているのがキャストたちだ。主人公マヤを演じるのは、『ゲーム・オブ・スローンズ』のデナーリスの通訳ミッサンディ役で知られるナタリー。マヤの職業は好色な政治家のもとで働く政治ストラテジスト。恐らくは職場に嫌気が差しているであろうマヤだが、遠路はるばる訪れたロンドンでもトラブルの気配が...。
ナタリーの演技を非常に魅力的と称賛するのは英Guardian紙。同紙はさらに、親友のフィアンセ・カシュを演じるニケシュも毎話魅力を振りまいていると絶賛する。マヤが空港で荷物を無くして困っていると、そこへちょうど居合わせたカシュが茶々を入れる。初対面の印象は最悪だった二人だが、不思議と引かれ合うことに。お互いがエインズリーのフィアンセと親友だと知った後も、単なる知人以上に意識してしまう。最終的に4つのウエディング、そして1つの葬式の主役となるのは誰なのか、予想しながら観るのも楽しいだろう。また、オリジナルでヒロインを演じていたアンディ・マクダウェルがゲスト出演しているのも見逃せない。
ロンドンの魅力に浸る
舞台がロンドンというだけあって、賑やかな街を疑似体験できることも本作の魅力の一つで、時には現実逃避して旅行気分に浸りたい視聴者たちの興味を掻き立てるドラマになるだろうとGuardian紙は見ている。ただ、英国が舞台ながらもアメリカ人のスタッフ、キャストが多く関わり、アメリカ人視聴者を意識した作りになっているため、オリジナルほどにはイギリスの雰囲気を感じないのは少々残念ではある。
とはいえ、クリエイターを務めているのが、『オーシャンズ8』のミンディ・カリングと『ザ・シンプソンズ』のマット・ウォーバートンというクセのある笑いが得意な二人だけあって、オリジナルのように皮肉の利いた面白さは楽しむことができる。『フォー・ウェディング』のストーリーをベースにしながら、同じ英国ヒット映画の『ラブ・アクチュアリー』や『ブリジット・ジョーンズ』シリーズの要素も含まれている点も魅力の一つだ。
ロマコメ『Four Weddings and a Funeral』は、米Huluで配信中。(海外ドラマNAVI)
Photo:『Four Weddings and a Funeral』公式Instagram