米FOXのSFコメディドラマ『宇宙探査艦オーヴィル』や、映画『テッド』シリーズで知られるセス・マクファーレンが、2本の新作ドラマを製作することがわかった。米Deadlineが報じている。
まず、米作家ハーマン・ウォークの小説「The Winds of War( and War and Remembrance)」を下敷きにしたリミテッドシリーズ『The Winds of War(仮題)』で、セスは『マスターズ・オブ・セックス』や『エイリアニスト』のセス・フィッシャーと共同でペンを執り、製作総指揮も担う予定。原作小説では、第二次世界大戦中に大陸間を渡るアメリカ人一家の厳しい航海が壮大に描かれる。
今年初めにNBCUniversalと独占包括契約を結んだセス。本作は最初のプロジェクトとなり、NBCUniversalの傘下Universal Content Productions(UCP)で製作される。
セスは新作にかける意気込みを語り、「UCPとのクリエイティブなパートナーシップを立ち上げるために、ハーマン・ウォークの「The Winds of War( and War and Remembrance)」ほどのエキサイティングなプロジェクトは他に思いつきません。私は何十年にもわたり、第二次世界大戦を描くウォークによる叙事詩の大ファンで、地球規模で起きる激動の出来事に直面した小さな人間の生命力の描写は、今日(こんにち)だからこそ描くべきではないでしょうか」とコメントし、昔からウォークの作品のファンだったと明かした。
2本目もUCPで製作され、カルロッタ・ウォルス・ラニアーの回顧録「A Mighty Long Way: My Journey to Justice at Little Rock Central High」を基にし、1957年に実際にアメリカで起きたリトルロック高校事件の中心人物9人に焦点を当てたリミテッドシリーズ。
リトルロック高校事件とは、米公立学校における人種隔離の撤廃につながったブラウン判決とも呼ばれる「ブラウン対トピカ教育委員会裁判」を機に、黒人学校であるホラス・マン・スクールから9人の生徒が、危険覚悟の上でアーカンソー州のリトルロック高校へ転入することに決めるも、当時の州知事オーヴァル・フォーバスは彼らの入学を阻止し、9人が入学する日に人種差別主義者による暴動が起きるという嘘の情報を流し、その鎮圧のためと称して州兵を出動させた公民権運動における重大事件の一つ。
同作では、マーベル映画『ブラックパンサー』で主演を務めたチャドウィック・ボーズマンの会社Xception Contentとセスの会社Fuzzy Door Productionsが共同で手掛ける。チャドウィックとセスは製作総指揮に名を連ねる。脚本は、劇作家で『ブラインドスポット タトゥーの女』や『グッド・ワイフ』などに出演する女優のエイサ・デイヴィスが担う。
セスは、人気アニメシリーズ『ファミリー・ガイ』でクリエイターを務めて声優としても出演し、命を宿したテディベアのテッドと、大人に成り切れないダメ中年男のコンビを描いて大ヒットしたコメディ映画『テッド』シリーズを生み出したことでも知られている。また、『荒野はつらいよ ~アリゾナより愛をこめて~』では監督・製作・脚本・出演の4役をこなし、俳優としてだけでなくクリエイターとしても大活躍している。
多才なセスが手掛ける2本の新作ドラマに出演するキャストなどの詳細が決まり次第、続報をお伝えしていきたい。(海外ドラマNAVI)
Photo:セス・マクファーレン (c)Faye Sadou/Famous