米ABCの大ヒットドラマ『LOST』で製作総指揮を務めたカールトン・キューズが、Apple TV+にてハリケーン・カトリーナで実際に起きた出来事をドラマ化することが明らかとなった。米Deadlineが報じている。
キューズは、シェリ・フィンクによるノンフィクション「メモリアル病院の5日間 生か死か――ハリケーンで破壊された病院に隠された真実」をミニシリーズとして製作。その小説は、2005年にハリケーン・カトリーナによって被災し、救助が来るまでの5日間にルイジアナ州ニューオーリンズの病院で起きた出来事が綴られている。ハリケーンによる停電で気温が上昇し、水位も上がる中、医療従事者たちは命の選別を強いられる...。
奴隷になった男性の実体験を描いてアカデミー賞作品賞を受賞した『それでも夜は明ける』で脚色・製作総指揮を務めたジョン・リドリーがキューズとタッグを組む。キューズとリドリーは製作総指揮を担うだけでなく脚本・ショーランナーも兼任。脚本は、第1話をリドリーが執筆し、第2話以降をキューズが担当することになるという。原作者のフィンクがプロデューサーに名を連ね、リドリーは監督も手掛ける予定だ。
これまでにキューズはホラー映画『サイコ』の主人公ノーマン・ベイツの若かりし日を描くドラマ『ベイツ・モーテル』や、SFアクションドラマ『COLONY/コロニー』、Amazonのスパイドラマ『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』、Netflixのファンタジードラマ『ロック&キー』でクリエイターを務めてきたヒットメーカーだ。一方のリドリーは、犯罪サスペンスドラマ『アメリカン・クライム』でクリエイター・監督・脚本・製作総指揮の4役を担い、大作歴史映画『ベン・ハー』のリメイクも手掛けている。
実は「メモリアル病院の5日間」は鬼門の作品だ。2013年に出版されたこの本は当初、アカデミー賞作品賞に輝いた『ノーカントリー』をはじめ100本以上の作品を手掛けてきた大物プロデューサーのスコット・ルーディンが映画化するはずだった。しかしその話は流れ、ライアン・マーフィー(『Glee/グリー』『アメリカン・ホラー・ストーリー』)がアメリカで実際に起きた事件を描く実録ドラマ『アメリカン・クライム・ストーリー』シーズン3のテーマとしてこの本を映像化する権利を獲得。しかし、結局そちらも暗礁に乗り上げている。
過去に2度企画が流れた「メモリアル病院の5日間」の映像化は今度こそ実現するのだろうか。今後の動向を見守っていきたい。(海外ドラマNAVI)
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『LOST』
©ABC Studios.