世界中で大ヒットした日本のアニメ番組『カウボーイビバップ』を実写ドラマ化したNetflixのオリジナルシリーズが、配信からわずか3週間でキャンセルされた。この驚きの決断は今後のアニメ実写化シリーズにとって、どのような意味をなすのだろうか? 米Comicbook.comが分析している。
世界中のファンから大きな期待が寄せられていたNetflixによる『カウボーイビバップ』の実写ドラマシリーズ。同作はアニメの世界観を踏襲しながらも、新たな切り口やスタイルで独自のトーンを展開し、アニメのファンとドラマで初めて作品を知った視聴者の両方が楽しめるような、中間を行くテイストとなっていた。
しかし、ドラマ版の評価は振るわず、アメリカのレビューサイトRotten Tomatoesでは、批評家による肯定的な評価は46パーセントにとどまり、配信開始後の視聴時間は全世界で約7400万時間だったとのこと。その数字やレビューから察するところ、Netflixと製作チームが実写版のために選んだスタイルやトーンは、新旧のファンのどちらにも、それほどアピールしなかったと考えられる。
現在、Netflixでは『ONE PIECE』や『ソードアート・オンライン』、『幽遊白書』、『機動戦士ガンダム』といった日本の人気アニメを実写化する企画が進行している。『カウボーイビバップ』の実写化が失敗に終わったことを踏まえると、Netflixは新旧ファンへのアプローチの仕方を変える必要に迫られることは明らかで、作品として新旧世代をどのように繋げていくかが大きな課題となりそうだ。
また、『カウボーイビバップ』はシーズン2を想定していた模様で、シーズン1最終話はクリフハンガー的に終わっていた。しかし、製作チームの予想を反してシーズン2の製作は叶わず、このような事態は将来的に誕生するであろうアニメの実写ドラマ版にも十分に起こり得るため、いかにシーズン1のストーリーを終わらせるかも考慮しなければならないだろう。さらに、製作費だけでなくライセンス料やプロモーションなどの費用に見合う視聴者数を獲得するために、脚本や演出のクオリティアップも必要となり、今後の課題は山積みだ。
果たして、『ONE PIECE』や『ソードアート・オンライン』をはじめとする実写ドラマ版は、どのような運命を辿ることになるのだろうか? 場合によってはプロジェクト自体がキャンセルになる可能性もあり、今後の動向に注目していきたい。
(海外ドラマNAVI)
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Netflix実写版『カウボーイビバップ』/Netflixシリーズ『ONE PIECE』全世界独占配信 (C)尾田栄一郎/集英社