本年度エミー賞計9部門でノミネートされているNetflixドラマ『BEAST -私のなかの獣-』。しかし、そのうちある部門ではノミネート資格を満たしていないのではないかと指摘された。米Hollywood Reporterが伝えている。
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実際の映像でなく「青写真のみが判断基準」は妥当か?
リミテッドシリーズ『BEAST -私のなかの獣-』は、第78回プライムタイム・エミー賞で作品賞、主演男優賞(マシュー・リス)、主演女優賞(クレア・デインズ)の主要部門を含む9ノミネートを果たした。そのうち一つはオリジナルメインタイトルテーマ音楽賞部門なのだが、エミー賞の規定で「メインタイトルテーマ音楽は15秒以上でなければ応募資格を満たさない」と定められているにもかかわらず、同作はその基準を満たしていないようだ。Hollywood Reporterによると、テーマ曲が最も長く流れる第4話でさえ、その長さは13秒しかないという。
さらに規定には、「メインタイトルテーマは、対象エピソードの50%以上で使用されていなければならない。メインタイトルテーマとは、作品を象徴する独自の音楽的アイデンティティであり、作品の雰囲気や今後の展開を観客に印象づけるものと定義される」とも記されている。同作のテーマ音楽は全8話中5話で使われているため、「50%以上」という条件自体は満たしているが、その5話で毎回異なるバージョンのテーマ音楽が使用されていることも問題視されることに。
こうした指摘についてエミー賞を主催するテレビ芸術科学アカデミー(ATAS)に見解を求めたところ、広報担当者は次のように説明した。「テーマ曲は全8話中5話に登場しており、50%ルールは満たしています。また、その5話のうち3話で15秒ルールも満たしています。同部門の専門委員会との協議の結果、今回の応募を受理することになりました。というのも、現行の規定には、2つの条件が矛盾した場合にどちらを優先するかを示す文言が存在しないためです。提出された応募素材自体は15秒以上という条件を満たしています。しかし、テーマ音楽が登場するすべてのエピソードで15秒以上流れなければならないとは規定していません。専門委員会も、来年の審査に向けて規定の文言をより明確にする必要があると認識しており、その作業は10月に行われる予定です」
しかし、この問題を提起した人物は、「ATASは計算を間違えている」と反論。テーマ曲はどのエピソードでも15秒間流れておらず、まして、そのうち3話で15秒以上という説明は事実ではないと主張する。この人物によると、実際の計測結果は以下の通り。
第1話:1分26秒からタイトル開始、テーマ音楽の尺は11秒
第2話:テーマ音楽なし(代わりにピクシーズの「Wave of Mutilation」が流れる)
第3話:5分12秒からタイトル開始、テーマ音楽の尺は8秒
第4話:2分54秒からタイトル開始、テーマ音楽の尺は13秒
第5話:テーマ音楽なし(トーキング・ヘッズの「Psycho Killer」が流れる)
第6話:1分29秒からタイトル開始、テーマ音楽の尺は11秒
第7話:テーマ音楽なし(シャロン・ジョーンズ&ダップ・キングスの「The Little Drummer Boy」が流れる)
第8話:5分22秒からタイトル開始、テーマ音楽の尺は11秒
これに対しATASの広報担当者は、次のように説明した。「エミー賞の応募資格は、作品完成後に制作側から提出されるキューシート(進行表)に基づいてのみ判断されます。キューシート上では、『BEAST -私のなかの獣-』のメインタイトルテーマは応募資格を満たしているため、当初の判断通り適格としています。視聴者が映像を見て感じる時間と、公式キューシート上の時間は必ずしも一致しません。メインタイトルの前後に配置されたアンビエント音(サウンドベッド)や付随する音楽も、場合によっては含まれるためです」
とはいえ、この弁明も規定にある「タイトルシーケンスの前後を囲む劇伴は対象外である」という記述に矛盾する。
なお、同部門で候補となっている作曲家ショーン・キャラリーは、過去にエミー賞を4度受賞している著名な作曲家であり、ATAS理事会における音楽部門の代表二人のうちの一人だ。『BEAST -私のなかの獣-』ではオリジナル劇伴賞にもノミネートされている。
ATASの広報担当者は、「ショーンは応募手続きにも、審査プロセスにも、一切関与していません」と強調している。
結局、不正や忖度があったか定かではないが、万人から見て疑問の残らないような選考基準にする必要があるだろう。
『BEAST -私のなかの獣-』はNetflixで配信中。(海外ドラマNAVI)








