更新?打ち切り?米NBC『シカゴ』シリーズや『SUITS/スーツ』新スピンオフの去就とは

アメリカのドラマシーズンがもうすぐ終わりを迎えるにもかかわらず、米NBC作品の多くはいまだに去就が決まっていない。日本でも人気・注目のタイトルはどういう状況にあるのかを、米Deadlineが伝えている。

ディック・ウルフによる5作品は更新の見込みだが…

通常、全米ネットワーク(各放送局)のドラマシーズンは9月頃から翌年5月まで。つまり、現在放送中のドラマはシーズン最終回まで1ヵ月ほどに迫っているはずなのだが、米ABCやCBSの人気ドラマの更新・打ち切りが続々と発表される中、遅々として進んでいないのが『シカゴ』シリーズや『LAW & ORDER』シリーズを抱えるNBCだ。

現時点で来季の運命が判明しているのは、今季スタートした2本のシットコム、『St. Denis Medical(原題)』と『Happy’s Place(原題)』のみ。残る10本以上の作品は更新なのか打ち切りなのかが分からない状況だ。

とはいえ、ヒットメーカーのディック・ウルフが手掛ける人気ドラマ5本、ニールセンの全米視聴率ランキングにも入ることのある『シカゴ・ファイア』『シカゴ P.D.』『シカゴ・メッド』『LAW & ORDER』『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』はいずれも更新される見通しだという。ただし、Universal Televisionが制作に関わるこれらのタイトルは毎年予算のことが問題になっているため、更新されたとしても話数を減らす、レギュラーキャストの人数や出番を削るといった節約術が採られるかもしれない。

一方、残る作品の見通しはそこまで明るくない。ウルフ作品ほどの成績を収められていないドラマは、NBCが高い視聴率の見込めるNBA番組やオーディション番組『ザ・ヴォイス』に注力することで放送枠を失ってしまう可能性が指摘されている。

Deadlineに「(ウルフ作品以外は)どの番組も打ち切られてもおかしくない」と言われる中、比較的いい数字を記録しており、更新の望みがあるのはザカリー・クイント(『HEROES/ヒーローズ』)主演の新作医療ドラマ『Brilliant Minds(原題)』と2年目を迎えた犯罪捜査ドラマ『Found(原題)』。『Found』と同じ犯罪捜査ドラマながらも目立った成績を残せていない『マーサー教授の殺人事件簿』は、先日日本上陸を果たしたもののシーズン3更新は厳しい模様。

ミッドシーズンに当たる2025年初めに始まった3作品の状況は三者三様。『SUITS/スーツ』の新スピンオフである『Suits: LA(原題)』は、2月にお披露目されて以降、期待されていたほどの視聴者を獲得できていないにもかかわらず、NBCがシーズン2制作を検討中だという。本家がNetflixでの配信開始により2023年に再ブレイクを果たしたこともあり、『SUITS/スーツ』シリーズは同局にとって大事にしたい作品のようだ。序盤のエピソードを一挙に再放送したり、本家のキャラクターを登場させたりしてテコ入れを図っている。

一方、メリッサ・ロクスバーグ(『MANIFEST/マニフェスト』)主演の犯罪ドラマ『The Hunting Party(原題)』は、放送開始から3ヵ月足らずとしては悪くない成績のため、放送枠さえあれば続くかもしれない。ジェナ・バンズ(『グッドガールズ:崖っぷちの女たち』)がクリエイターを務めるミステリードラマ『Grosse Pointe Garden Society(原題)』はシーズン途中で放送日時が変わったためか厳しい滑り出しとなっているが、NBC系列の動画配信サービスPeacockに引っ越す形で続く道があるようだ。

前述の通り、シットコム2本がすでに更新となったが、同じくシットコムの『Night Court(原題)』と『Lopez vs. Lopez(原題)』の新シーズンが制作される確率は「良くて五分五分」と見られている。NBCでは新たに3本のコメディドラマのパイロットが進められており、それらの作品がシリーズ化となれば同ジャンルの作品数を絞る可能性があるからだ。

NBCが決断を下すまでにはもう少し時間がかかるかもしれないが、新たな動きがあり次第、お伝えしたい。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Deadline①Deadline②Deadline③