『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン2、原作から変更した点をクリエイターが説明

ジョージ・R・R・マーティンの小説「炎と血」シリーズのドラマ化で、『ゲーム・オブ・スローンズ』の200年前を描く『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン2第1話では、原作で最も残酷なシーンの一つが描写されたが、大きく変更された点があるという。その箇所について、クリエイターが説明している。

(これ以降は、一部シーズン2第1話のネタバレを含みます)

 

核となるドラマチックなポイント

シーズン1で、エイモンド・ターガリエン王子はレイニラ・ターガリエン女王の息子ルケアリーズ(通称ルーク)に片目を奪われ、最終話では、その復讐のためにエイモンドがルークの目を奪おうとドラゴンのヴァーガーをけしかけるが、思いがけない事故が起こり、ルークが命を落とす悲劇が起きた。

シーズン2第1話「息子には息子を」では、ルークの死を知ったレイニラが悲しみと怒りに駆られ、「エイモンド・ターガリエンを捕らえる」と評議会に告げ、デイモン・ターガリエン王子はルークの仇を打つため、キングス・ランティングに潜入。原作と同様にエイモンドを暗殺するため、元王都の守人で残忍なブラッドと、赤の王城で働くネズミ捕りのチーズを雇う。

原作でデイモンは、ブラッドとチーズにエイモンドだけでなく、ハイタワー家の子息であるエイゴン二世の子どもたちも殺すように命じる。エイゴン二世と彼の妹で妻でもあるヘレイナには、双子の兄妹ジェヘアリーズとジェヘイラ、末っ子のメイラーという三人の子どもがいる。ブラッドとチーズは、ヘレイナに三人のうちで殺されるべき子どもを一人選ぶよう残酷にも促し、彼女は末っ子のメイラーを選ぶが、暗殺者二人は逆のことをし、エイゴン二世の後継者であるジェヘアリーズを殺害した。

対して、『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』ではメイラーの存在が完全に省略されており、ドラマ版の同じ場面では、ジェヘアリーズが殺害される展開に。米TV Insiderのインタビューでクリエイターのライアン・コンダルが、その理由について説明している。

「このタイムラインでは、まだメイラーは生まれていません。製作しやすいように、シーズン1では歴史を圧縮する必要がありました。実際のところ、レイニラの幼少期から彼女が後継者に指名され、その後に「双竜の舞踏」(ターガリエン家の衰退を招いた内戦)が始まるまでに30年が経っています。非常に長い時間です。それを忠実に描いたら、もっとリキャストが必要になり、視聴者が混乱してしまっていたでしょう。そこで私たちは、20年計画を貫いて上手くいきました」

つまり、ドラマ版でジェヘアリーズとジェヘイラは原作よりも年齢が幼くなるため、メイラーは誕生していないとことになる。

ブラッドとチーズが実行した暗殺により、レイニラ率いる《黒装派》とアリセント率いる《翠装派》の紛争で、最も無実で純粋なキャラクターが悲惨な死を遂げることになったわけだが、その展開についてコンダルは、「私たちにとっては、それが番組の核となるドラマチックなポイントであり、原作を忠実に脚色したと感じています」とも述べた。

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』シーズン2は、U-NEXTにて毎週月曜に新エピソードが配信。(海外ドラマNAVI)

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