ベネディクト・カンバーバッチ、モンスターの姿でNYを疾走した新作『エリック』の撮影を回想

英大ヒットドラマ『SHERLOCK/シャーロック』で人気を博したベネディクト・カンバーバッチが、モンスターの姿でニューヨークを疾走したNetflixの新作ドラマ『エリック』の撮影を振り返っている。

今までで最も滑稽なシーン

『エリック』の主人公は、人気テレビ番組で人形使いとして活躍するヴィンセント。ある日、突如として行方不明になった最愛の息子エドガーを必死に捜し続けるヴィンセントは、次第に精神的に不安定になり、「息子が描いた青いモンスター“エリック”をテレビに出演させれば、息子が帰ってくる」という奇怪な妄想に取り憑かれていく…。

劇中では、ヴィンセントが自分で作った等身大のエリックの着ぐるみに身を包み、ニューヨークを疾走するシーンがあり、英BBCのインタビューでベネディクトが、その撮影を回想。「それは僕が今までに演じたなかで、最も滑稽なシーンでした。いくつか笑ってしまうようなシーンをやったけど楽しかったですよ。痛々しいほど笑えました」と語っている。

またベネディクトは、モンスターのエリックが“ヴィンセントの影”を表していると指摘し、「彼は、ギリギリのところにいる混沌とした男なんです」と表現。その理由については、「彼の生まれ育った環境には愛が存在せず、彼の精神的な問題は処方箋によって対処され、“見ざる聞かざる”というビクトリア朝的な冷たい仕打ちを受けました。結果として、そのトラウマが家族の絆と彼の仕事を破壊することになるんです」と分析した。

演技派として高い評価を得て、好んで複雑なキャラクターを演じることでも知られているベネディクトは、「白黒がつけられる人物は演じたくありません。誰にでもグレーな部分がありますから。人間には善と悪が存在しています。それが私たちを人間たらしめているのであって、ヴィンセントの場合は確かに極端ですが、彼が引き起こす痛みの背後には辛い過去が存在しているのです」と語った。

エドガーの母親キャシーを演じるギャビー・ホフマンはこう付け加える。「私が思うに、子供の頃にきちんと愛されず、自分自身を発見する場所と機会を与えられなかった場合、人生が進むにつれて、そのことに悩むことになる。もし子供の頃にそのような場所を与えられていれば、後にする仕事は少なくなるのです」

また、劇中のほとんどで着ぐるみに入りエリックを演じた俳優/人形師オリー・テイラーの仕事ぶりには圧倒され、感動して泣いた、と以前のインタビューで話している

ベネディクトが複雑なキャラクターを熱演する『エリック』は、5月30日(木)よりNetflixにて独占配信開始。(海外ドラマNAVI)


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Photo:©2023 Netflix, Inc.