『24』『グッド・ドクター』製作陣が仕掛ける予測不可能なストーリー!『ACCUSED/罪の真相』

Dlifeにて毎週火曜日22:00より放送中の『ACCUSED/罪の真相』シーズン1は、豪華スタッフ&キャストでお届けする一話完結型のアンソロジーシリーズ。『トワイライト・ゾーン』『ブラック・ミラー』のように、各エピソードが異なる舞台・ストーリー・キャラクターで描かれるため、シーズンの途中から見始めても楽しむことができる。スリラーやミステリー、かと思えばヒューマンドラマの要素もあり、最後まで予測不可能で、一話だけで重厚かつ先の読めないストーリーを紡ぎ出せる作品の理由を掘り下げてみたい。

時代に合ったテーマをリアリティ豊かに描く

本作は英国アカデミー賞(BAFTA賞)に輝いた英BBCドラマのリメイク。作品タイトルにある通り、毎回エピソードの初めに誰かが告発される(Accused)ところから物語は始まる。そして裁判シーンと並行して、その人がどんな罪に問われているのか、どうしてそういうことになったのかが、被告人の目線から過去にさかのぼる形で描かれていく。

ACCUSED/罪の真相

高い評価を受けていたオリジナルを、『24 -TWENTY FOUR-』『HOMELAND/ホームランド』のハワード・ゴードンとアレックス・ガンサ、『Dr.HOUSE ―ドクター・ハウス―』『グッド・ドクター 名医の条件』のデイヴィッド・ショアという製作陣がアメリカのドラマとしてローカライズ。同国ならではの問題と言える銃乱射事件をはじめ、性犯罪、薬物中毒、介護、環境汚染、ヘイトクライム、SNSでの誹謗中傷といった現代の社会問題を巧みに盛り込み、州ごとに法律が異なるというアメリカの特徴もうまく生かしながら、40数分で一つのエピソードを描く。テーマの多くは身近なもので、被告人の多くはちょっとしたきっかけで足を踏み外してしまった、どこにでもいるような普通の人たち。だからこそ、見終わった後に「自分だったらどうしたか」と考えさせられるだろう。

クリエイターを務めるゴードンといえば、2001年のアメリカ同時多発テロ事件直後にテロリストと闘う主人公の活躍を描いた『24』を、その後NSA(アメリカ国家安全保障局)による自国民への干渉が問題になる中でCIAに所属する主人公が孤独な戦いを繰り広げる『HOMELAND』をそれぞれスタートさせており、時代の「今」を切り取る手腕に定評がある。「ドラマの役割は見た人に考えさせたり、感じさせたりすること」と語るゴードンが新たに手掛ける本作も、彼ら製作陣が見聞きしたものがもとになっていることもあり、リアリティたっぷりだ。

『HAWAII FIVE-0』『ブラックリスト』スターも出演

ACCUSED/罪の真相

例えば、第11話「ジロウの物語:介護の重荷」で被告人となるジロウは、脳に障害を負った兄オサムの世話を長年一身に背負ってきた母親が亡くなったことで、初めて介護の問題に向き合うことに。ジロウは兄を施設に預けるものの、うまく口がきけないオサムはどうやら誰かに虐待されているようで…。誰しもが経験し得るテーマを綺麗事にせずに描いており、ジロウが誰に何をしたのかというメインの謎のほか、虐待疑惑といった別の謎も盛り込まれている。なお、ジロウを演じるのは人気ドラマ『HAWAII FIVE-0』のアダム・ノシムリ役で知られるイアン・アンソニー・デイル。『HAWAII~』でファミリーとともに活躍していた彼が、こちらの家族とどう向き合うのかもぜひご覧いただきたい。

ACCUSED/罪の真相

毎話で新たな俳優が起用される中、俳優や監督の起用も的確だ。第15話「ビリーの物語:父と息子の歌」の主人公ビリーを演じたキース・キャラダイン(『マダム・セクレタリー』)もその一人。有名ミュージシャンのビリーは、ドラッグ依存症で厚生施設への入退所を繰り返す息子を支えるキャラクターだが、同役を演じるキースといえば父親はアルコールを飲んでばかりで、母親は統合失調症という家庭で親に放置される子ども時代を過ごした。また、ビリーの息子は同じ音楽業界に身を置く2世として苦しむのだが、キース自身も父親のジョン・キャラダインは『駅馬車』などのジョン・ヒューズ監督作品の常連という有名俳優だったため、2世としての立場を肌で理解している。そして若い頃から音楽の才能にあふれていたキースは、有名ミュージシャンという設定も納得の見事な歌声を披露しており、それが心揺さぶるストーリーにさらなる説得力をもたらしている。

ACCUSED/罪の真相

ACCUSED/罪の真相

ACCUSED/罪の真相

ACCUSED/罪の真相

イアンとキースのほかにも、ドラマや映画でおなじみの面々が多数出演。『ブラックリスト』のリズ役メーガン・ブーンとカタリーナ・ロストヴァ役ライラ・ロビンズ、『ウォーキング・デッド』のコニー役ローレン・リドロフ、『The O.C.』のサマー役レイチェル・ビルソン、『24』のクロエ役メアリー・リン・ライスカブなどが被告人あるいはその人と深く関わるキャラクターとして参加している。その中には、これまでのイメージを大きく覆すようなキャスティングもある(『24』のメアリーはまさかの金髪に!)ので、彼らがどういうキャラクターを演じているのかも注目ポイントだ。

ACCUSED/罪の真相

また、各エピソードの監督の人選も考えられており、聴覚障害がテーマのエピソードでは、『愛は静けさの中に』でアカデミー賞主演女優賞を受賞し、自身も聴覚障害を抱えるマーリー・マトリンが、ドラァグクイーンが主人公のエピソードでは、ゲイを公言している『POSE』のビリー・ポーターが、それぞれメガホンを取った。

なお、本作の特徴の一つは、アンソロジーシリーズのためエピソードごとに雰囲気が大きく異なること。凶悪な犯罪が繰り広げられたり、真犯人は誰なのかという謎解きが展開することもあれば、エピソードの最後に深く考えさせられる一言が投げかけられたり、背筋の凍るような真実が明らかになることも。かと思えば、悲しみの涙を流すエピソードの次には、ほんわかと温かい気持ちになれるストーリーが綴られたりもする。告発の行方(無罪か有罪か)も含めてどう転ぶかがギリギリまで分からないため、毎回新鮮な気持ちで最後まで楽しむことができるのだ。そして、アンソロジーシリーズなので基本的にそれぞれの話は独立しているが、別のエピソードで描かれた内容の後日談的なストーリーもあったりと、続けて見るからこそ気づく関連性も。2022~2023年シーズンに始まった新作ドラマとして最高の成績を記録した本作は、本国アメリカでのシーズン1放送中にシーズン2への更新が決定した。完成度の高さが光る『ACCUSED/罪の真相』シーズン1(字幕版)は、Dlifeにて毎週火曜日22:00より放送中だ。

ACCUSED/罪の真相

また、Dlifeでは引き続き『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』『クリミナル・マインド / FBI vs. 異常犯罪』、全米プライムタイムのドラマとして史上最長寿の人気シリーズ『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』、名プロデューサーが手掛ける『9-1-1:LA救命最前線』『FBI:特別捜査班』、オーストラリアとカナダ発の犯罪捜査ドラマ『法医学医 ダニエル・ハロウ』『刑事マードックの捜査ファイル(シーズン4は日本初放送)』といった大ヒットシリーズも放送していく。

(海外ドラマNAVI)

Photo:『ACCUSED/罪の真相』シーズン1 © 2023 Sony Pictures Television Inc. and Fox Media LLC. All Rights Reserved.