Netflix、外国作品への投資額が初めて北米作品を上回る

米Netflixは、これまでもグローバルなコンテンツを提供してきたことで知られるが、今後アメリカ以外の作品への投資がさらに増えるようだ。米Varietyが報じている。

半分以上が北米以外の作品へ

最近のエンターテイメント業界の大きな特徴のひとつは、アメリカ産以外の番組が増えていることだ。Ampere Analysisの最新予測によると、今年のNetflixのコンテンツ支出の半分以上(総額約154億ドルのうち79億ドル)が北米以外で制作された作品に充てられるという。

つまり、同社の予算の大半は、国際市場向けにローカライズされたオリジナルコンテンツか、国際的に制作されたタイトルのライセンス供与に費やされることになる。これは、VIP+のレポート「The Death of Peak TV」にあるように、メディア企業がテレビ絶頂期のその後の時代に向けてコンテンツ戦略を再考しているテレビ業界の幅広いトレンドと一致している。

別の予測によると、北米のコンテンツ支出は今後5年間で2022年の水準から20%以上落ち込むと予想されている。

この変化の理由は2つある。第一に、国際的なコンテンツは(他国では労働法が緩いこともあり)国内作品よりもはるかに安価に制作・入手できることが多いこと、そして、近年の米国の視聴者は非英語コンテンツにより寛容であることだ。

この点では、韓国ドラマ『イカ・ゲーム』が北米以外の作品としては依然として業界での代表的作品であり、Netflix史上最も視聴された作品のひとつとなったが、その予算は約2100万ドルで、『ストレンジャー・シングス』シーズン4の制作費の10分の1以下だったと報じられている。

第二に、米国内でのストリーミング業界はすでに成熟しきっているため、米国外でのマーケットを狙う戦略に出ようとしていることだ。国内のSVOD加入者を増やすことがますます難しくなる中、各社は、米国を拠点とする競合の優位性が低い新興ストリーミング市場によって、将来の成長を見込む必要があると認識している。

そのような地域のひとつがサハラ以南のアフリカで、Netflixが競争に直面していない数少ない地域のひとつである。もうひとつは、経済的にも文化的にも急成長を遂げているインドで、同社は加入者数を増やすために積極的な投資を行っている。今後数年のうちに、インドから次の『イカゲーム』のようなヒット作が生まれても不思議ではないだろう。

(海外ドラマNAVI)

Photo:freestocks.orgによる写真: https://www.pexels.com/ja-jp/photo/987586/