2024年1月7日(日)にアメリカで授賞式が開催される第81回ゴールデン・グローブ賞のノミネートが発表された。今回、ドラマ部門のノミネートをめぐりいくつかの意外な展開や記録的な偉業があった。米Deadlineが報じている。
最多、連続で新たな記録が生まれる
『インディ・ジョーンズ』シリーズなど映画を中心に活躍してきたベテラン俳優のハリソン・フォードは、テイラー・シェリダンが手掛ける『イエローストーン』の前日譚シリーズ『1923』でジェイコブ・ダットンを演じたほか、Apple TV+のコメディドラマ『シュリンキング 悩めるセラピスト』にも精神科医役で出演したが、意外なことにノミネートを逃した。ただし、『1923』は作品賞と主演女優賞(ヘレン・ミレン)の候補になっている。
ハリソンが逃した主演男優賞にノミネートされている一人は、2017年の映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でアカデミー賞主演男優賞を手にしたゲイリー・オールドマン。彼の演技が評価されたことは驚きではないものの、主演ドラマ『窓際のスパイ』が同部門以外はまったく候補に挙がらなかった理由を知るには、スパイの協力を得るしかなさそうだ。
一方で、米HBOの人気ドラマ『メディア王 〜華麗なる一族〜』が記録を打ち出した。本年度のプライムタイム・エミー賞で最多27ノミネートを果たしたのに続いて、ゴールデン・グローブ賞でもドラマ部門トップの9ノミネートに。後者では、作品賞を含む、ノミネート可能なすべての部門で候補入り。男優部門においてが最も顕著で、主演男優賞(ローガン・ロイ役のブライアン・コックス、ケンダル・ロイ役のジェレミー・ストロング、ローマン・ロイ役のキーラン・カルキン)と助演男優賞(トム・ワムズガンズ役のマシュー・マクファディン、ルーカス・マッツォン役のアレキサンダー・スカルスガルド、コナー・ロイ役のアラン・ラック)に3人ずつ入っている。女優部門では、シヴォーン・“シヴ”・ロイ役のセーラ・スヌークが主演女優賞、ジェリー・キルマン役のJ・スミス=キャメロンが助演女優賞にノミネート。主要キャストで唯一ノミネートから外れたのは、グレッグ・ハーシュ役のニコラス・ブラウンだけだ。一年あたりのゴールデン・グローブ賞ノミネート数で、『メディア王』は1990年の『L.A. LAW/7人の弁護士』の8ノミネートを上回った。ゴールデン・グローブ賞で特に多いノミネート数を記録したドラマというと、『ER 緊急救命室』(1998年に7ノミネート)、リミテッドシリーズ『エンジェルス・イン・アメリカ』(2004年に7ノミネート)などがある。
さらには『ザ・クラウン』もゴールデン・グローブ賞の歴史に名を刻んだ。Netflixの英国王室ドラマは、2017年・2018年・2020年・2021年・2023年に続いて本年度(2024年)も作品賞にノミネートされており、すべてのシーズンが同賞候補となった初の作品に。製作総指揮のスザンヌ・マッキーは今回の偉業を「絶対的な名誉と特権」と表現。2017年と2021年に2度受賞しているが、『メディア王』『THE LAST OF US』『ザ・モーニングショー』といった強力なライバルを抑えて3度目の受賞となるだろうか。ダイアナ妃役のエリザベス・デビッキは助演女優賞、チャールズ皇太子役のドミニク・ウェストは主演男優賞、エリザベス2世役のイメルダ・スタウントンは主演女優賞の候補として競うことになる。
(海外ドラマNAVI)
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