Amazon『グッド・オーメンズ』シーズン2に登場したクィア要素を振り返る

Amazon『グッド・オーメンズ』シーズン2にはクィア要素がふんだんに投入されているが、その点について英NMEが振り返っている。

最高にクィアネスなグッド・オーメンズ』シーズン2

シーズン2で、主人公の天使アジラフェル(マイケル・シーン)と悪魔クロウリー(デヴィッド・テナント)は、ロンドンのソーホーで人間に紛れながら気楽な生活を送っていたが、記憶喪失になった大天使ガブリエル(ジョン・ハム)が登場したことにより事態は一転。助けを必要とするガブリエルに手を差し伸べる一方、二人はニーナとマギーのキューピッドになるため奔走する。

シーズン1から、アジラフェルとクロウリーはノンバイナリーのジェンダークィアとして描かれていることは、ファンにとって既知だろう。新シーズンで登場した天使のミュリエルは、本作の公式X(Twitter)アカウントでノンバリーの呼称「they/them」で呼ばれていることが確認できる。また、シーズン1に引き続きベルゼブブも「they/them」で呼称される。

『グッド・オーメンズ』シーズン2

第2話ではヨブの息子エノン(デヴィッドの息子のタイ・テナントが演じている)が意味深にアジラフェルに触れるシーンがあり、第3話ではアジラェルがエディンバラへ向かうとき、LGBTQ+の人々が使う出会い系アプリ「Grindr」が入った男性の携帯電話を修理する展開に。また、マジックショップのオーナーのパートナーはノンバイナリーで、第5話では19世紀のドレスを着てアジラフェルの舞踏会に出席するシーンもあった。

『グッド・オーメンズ』の社会構成は現実とは違い、クィアであることが普通であり、LGBTQ+コミュニティに対する嫌悪は存在しない。NMEは、クィアのトラウマについて取り上げて劇中で表現することは重要だが、この番組はそこに焦点を当てておらず、それは問題ではないとしている。なぜなら、『グッド・オーメンズ』の世界には偏見が満ちているわけではないからだ。

対して、同じファンタジーのジャンルでも『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』は、死にかけているカスティエルがディーン・ウィンチェスターに突如として愛を告白した後に息を引き取る展開となり、物議を醸した。

『グッド・オーメンズ』には、あからさまなカミングアウトシーンや直接的な愛の宣言は登場しない。NMEは、髄所でキャラクターが表現するクィアネスで十分だと主張している。

『グッド・オーメンズ』シーズン1~2はアマゾン・プライムで独占配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:©2023 Prime