壮大な映像体験に絶句!『アバター』 続編は期待値の遥か上を行く壮大な世界観

全世界歴代興収第1位を獲得し、その革新的な映像世界で映画ファンを驚愕させたSFアドベンチャー超大作『アバター』から13年。満を持して製作されたシリーズ最新作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』がいよいよ本日より世界同時公開される。前作に続きメガホンをとったジェームズ・キャメロン監督は、今月10日に来日を果たし、なんと「パート5まで製作する準備ができている」と明言。しかも、「もう13年も待たせることはしない、できれば2年おきに公開したい!」とポジティブ発言を連発し(リップサービスじゃないよね?)、キャメロン・ファンの筆者は早くも狂喜乱舞、タイやヒラメが舞い踊っている。【映画レビュー】

リアルな映像に驚愕!

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さて、前置きが長くなったが、肝心の本作。今回も神秘の星“パンドラ”に人類が侵略を企てる構図は同じだが、舞台をジャングルから壮大な海に移し、前作で先住民ナヴィに受け入れられたジェイク(サム・ワーシントン/『FIRES〜オーストラリアの黒い夏〜』)とネイティリ(ゾーイ・サルダナ/『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』)夫妻、そしてその子供たちが、非情な攻撃に応戦しながらも“家族の絆”を紡いでいく姿をエモーショナルに描いている。さらに、その熱い物語に前作を凌ぐ臨場感を与えているのが、また一歩進化を遂げた最新テクノロジーの数々だ。透明感溢れる美しい海、そこに生息する生き物たち(クジラやエイなどをモチーフにした想像力豊かな海洋生物が大挙登場!)の鮮明かつリアルな映像はマジで驚愕しかない。
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この未体験映像を具現化するためにキャメロン監督は、“ハイ・フレーム・レート”(通常1秒24コマのフレーム数を48コマに増やした映像表現)を採用しているが、その肉眼視に近い美しく滑らかな動きは、ある意味、映画表現の極限まで到達し、しかも奥行きをさらに深めた3D映像による没入感も半端ない。ここまで来ると、「ぜひ映画館で体感してほしい」など生ぬるい。「絶対に映画館で観るべき」、いやいや、「映画館で観なければ有罪レベルでしょ!」と言っても過言ではないだろう。もはや観客は、登場人物に直に会い、“パンドラ”の地を現実に旅した感覚に陥り、絵空事だった『ラスト・アクション・ヒーロー』や『カイロの紫のバラ』の虚実交錯する瞬間が、「ついにやって来た!」と思わず叫びたくなること必至だ。

御年73歳、14歳役で復活?

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加えて、『アバター』ファンにとってキャスティングも感涙もの。御年73歳のシガーニー・ウィーバー(『エイリアン』『ゴーストバスターズ』シリーズ)は、前作で先住民ナヴィたちに看取られてこの世を去ったグレース博士を演じたが、本作ではジェイク一家の14歳の養女キリ役で復活。同じく前作でジェイクとの死闘の末、絶命した元海兵隊大佐クオリッチを演じたスティーヴン・ラング(『ドント・ブリーズ』『ザ・ロストシティ』)は、なんと人間のDNAの記憶を埋め込んだアバターで再登場する。しかも「彼らはパート5まで出演する」とキャメロン監督が公言しているから驚きだ。

ネタバレになるので内容のことには触れられないが、ともあれ、この作品は映画館で観ることを何が何でもおススメする。「しばらく経って、配信されたら観てみようかな?」という方も大勢いると思うが、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』に関しては、その手軽さ、きっと大後悔することになるだろう。

映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は12月16日(金)より全国公開

(文/坂田正樹)

Photo:『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』©2022 20th Century Studios. All Rights Reserved./ シガーニー・ウィーヴァー©James Warren/Famous