高見広春の小説『バトル・ロワイアル』のドラマ化に興味を示していた米CWが、プロジェクトに着手しない意向を明らかにした。

日本では、暴力的な描写が物議をかもしながらもベストセラーとなり、深作欣二監督によって映画化もされた『バトル・ロワイアル』。昨年、CWのペドウィッツ社長は、アメリカで大ヒットしたサバイバル映画『ハンガー・ゲーム』と同じ系統の本作を、TVシリーズ化したいと発言した。だが、中学生の殺し合いを描いた過激な作品のTV放送を巡って、アメリカでも疑問の声が上がっていたという。

そんな中、13日に行われたTCA(テレビ批評家協会)のプレスツアーにて、ペドウィッツ社長は本の権利について問い合わせはしたが、製作に向けた進展は何もないと公言。「我々は『バトル・ロワイアル』について何の計画も立てていません。何も起きていませんし...、何もお話しすることはありません」と語った。

昨年、アメリカではコロラド州とコネチカット州で銃の乱射事件が相次いだ。ペドウィッツ社長は『バトル・ロワイアル』に興味を抱いていたのは、これらの事件が発生する前のことだともコメント。こうして本作のドラマ化は、プロジェクトが立ち上がる間もなく立ち消えとなった。

とはいえ、同局では他にも『ハンガー・ゲーム』と同系統のドラマの製作が進行中。『The Selection』というタイトルで、すでにパイロット版が製作されているが、シリーズ化はまだ決定していない。ペドウィッツ社長によると、よく書けた新しい脚本が仕上がったところだという。ちなみに、こちらの作品では残虐な描写は和らげてあるそうだ。(海外ドラマNAVI)