超話題作『ゲーム・オブ・スローンズ』ジョン・スノウ役・花輪英司インタビュー

『ゲーム・オブ・スローンズ』上陸記念!  声優さんリレーインタビュー二人目は、私生児としてスターク家で育ちながらも他の兄弟とは違う道を歩む事を余儀なくされているジョン・スノウ役の花輪英司さんが登場! 花輪さんから見たこのドラマの魅力とは如何に!?

―― 最初にこのドラマを見た時の印象はいかがでした?

「おぉ、すげぇ」って素直に声が出ました(笑)

―― 確かに映画みたいな迫力でオープニングからのまれてしまいますよね。このドラマは登場人物も非常に多いんですが、花輪さん演じるジョン・スノウの役柄を紹介して頂けますか?

僕の演じるジョン・スノウはエダードの私生児なんですけど、他の兄弟とは割と仲良くやってはいるけれど、どうもお父さんに認められたいという気持ちの強い、人に認められたいという気持ちの強い子で。まぁそれは壁に行っても同じで、その中で認められたい、認めさせるという欲求の強いキャラクターですね。僕もやりながら段々と自分のキャラクターを知ってっいっている部分があるので、これから全体像が見えてくると思うんですけど、基本的なキャラクターのテーマとしては初回のディレクションでもあったんですけど、やっぱり影を背負っているというか、常にそういうなにかパーッと明るくない、笑っても楽しい時でも何かこう一つ影を落としていくキャラクターですね。

―― この作品に関わる事が決まって原作などは読まれたのですか?

20130125_c02.jpg僕は原作ものに関しては、例えば他のものでもアニメーションでもなんでも、あんまり読みたくないんです。読んじゃうとキャラクターを決めちゃうんですよ、僕の場合。で、決めちゃってこのキャラクターはこんな言い方しないんじゃないか、とか、こうじゃないかとかいろいろ考えちゃう。でもそれは僕が決めたキャラクターであってそのキャラクターそのものではないんですよね。そこで決めちゃうと、演技の幅が出なくなっちゃうと思うんです。

――ジョン・スノウを演じる際、花輪さんが一番気を配っている点は何でしょう?

ジョンは愛情に飢えている部分もあって、その反動かどうか分からないですけど、まぁ反動なのかな...とにかくあまり出さないんです、感情を、めったに。で、ジョンがどこかに感情をぶつけている時でも、僕が素直にそれを表現してしまうと、ちょっと強くなってしまうので、技術的なことでいうと、なるべく"声を張らない"というか、常にちょっと引いたとこで演じるようにしています。あとはやっぱり、陰を意識するというか...なんて言うんですかねえ。一歩間違えると「暗い」って方向に行ってしまうんですけど、その辺りの微妙なさじ加減を意識しています。でもやはり一番気をつけていることは(声を)張らないことですかね。

――声優のお仕事的に声を張らないのって、結構ストレスが溜まるんじゃないですか?

難しいですね(笑)

――ご自身が抑圧されてしまいますね。

それが逆に彼の抑圧された部分の表現として出ればいいなとは思うんですけれど。

――今後爆発するシーンが欲しいとか、ありますか?(笑)

実は今日の収録でちょっとジョンがキレかけたんですけど(笑)、それでも本番ではちょっと声を出し過ぎちゃったかなと思いました...(苦笑)
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―― ネッドとは親子とはいえ微妙に距離がある感じですが、その空気感もドラマでは重要な部分だと思うんです。実際ネッドを演じている手塚さんとのコンビネーションはいかがですか?

いや、僕はもう、手塚さんをテレビで見ているみたいな感覚になっちゃうんで。手塚さんは大先輩ですし、やっぱりさすがだなぁって初回から思って見てましたね。エダードにぴったしだなぁって思いながら。逆にそういうのを見ていくと、自分が不安になっちゃいます。大丈夫かなぁ大丈夫かなぁって。今回手塚さんとは初めて共演させて頂いたのですが、ホントに初回の時、左の一番奥のマイクを使っていらして、それがなんだか安定するっていうか。例えるなら大黒柱みたいな感じで、あれは手塚さんについていけば大丈夫って思った瞬間でしたね。

――花輪さんから見て、このドラマの魅力はズバリどこでしょう?

このドラマは2回、3回と何度見ても十分楽しめるんですよね。初見の時には分からなかった新しい見方ができるんです。登場人物も多いし各家の関係もややこしいけど、最初はそこはあまり深く考えないで、素直に見たままを感じてもらって、6話ぐらい見たらまた1話から見たりするのも僕は楽しいと思います。最初は分からなくても、もう一回頭から見てみたら、「それでこうなったんだ~」って分かったり。で、そこまで見てれば当然先も気になるから、またあーってなるかもしれないけど(笑)でも先入観無く見た方が楽しいと思います。
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―― 先入観無くという意味では原作を読まずに挑んでいる花輪さんもこの先の展開がどうなるのか気になるところだと思うのですが、予想ではどの家が覇権を手にすると思いますか?

統一するとしたら、ってことですよね。うーん。なんだかんだでターガリエン家が一番まとまってるんですよね。皆、同じ方向を見ていますから。バラシオン家はバラシオン家で思いっきり大変なことになってるし。スターク家は一枚岩でいるようで、微妙に見ているものが違ってたりするし。ロブが未知数だから。ここは女性が強いですよね。その中では僕はアリアが密かに気になってまして!剣をプレゼントしてもらって、そのまま剣の道にやや目覚めつつある、みたいな感じなんですけど、彼女の今後は気になりますね。僕が演じるジョン・スノウで言えば、完全に独立してますからね、壁で。壁のこっち側のこと全く知らないですから(笑)

――でもいちばん全体を客観的に見れるんじゃないですか?とはいえ客観的に見るにはスケールがちょっと広すぎるんですけど(笑)

広すぎますよ!! 今、超狭い世界で生きてますから(笑)。何せ自分の居場所が見つかったのが今日の話ですからね。お父さんに認めてもらいたいとかそういう気持ちをひとつとび超えた目標が、今日やっとちょっと見えたところなんですよ(苦笑)

――だからこそ気になるキャラクターでもあるんですけどね。ティリオンの役の森川さんもジョン・スノウの今後が気になる、とおっしゃってましたよ。

僕もティリオンが前回登場してから2話飛んでるんで、その後どうなったのか気になってるんですよ!あれ、1話から予告とか見てそのシーンばかりがずっと気になっていて、「あの後どうなるんだ、どうなっちゃうんだ」って思ってて、やっとこのシーンがきたよーって思ったら「花輪さんの収録はお休みです」って言われちゃって。あれが見たかったのに(笑)
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――そんなガッカリなところでなんですが、このドラマには各家に銘言という標語というか家訓のようなものがそれぞれにあるので、それにちなんで花輪さんの銘言、座右の銘をお聞きしたいのですが...。

そうですねー。僕の場合は2012年にドキュメンタリーなどいくつか見た中で、「プライドの意味」という言葉が頭にあって...。「プライド」っていうものは、結局"俺はこういう仕事以外しない"とか、そういう考え方ではなく、"その場で自分がなにをやるか""なにをどれほど努力するか""どれほどのものを懸けてそこで何をやるか"っていうことなんだっていうのが心に残ってて。その時見ていたのは、あるダンサーの話だったんですけど、その人のプライドというのは、最初は"こんなとこで踊れるか!"って思っていたのが、"それは違う"と気づいたと。踊る場が与えられて、そこでどう見せるか、それがプライドなんだって...そういう解釈をしながらその番組を見ていたんです。あぁ、自分もそういう風に思いながら仕事をしていけたらいいなって思ってます。そういう意味で「プライドの在り方」ということをいつも頭に置いてますね。演技の仕方で言い代えるなら"固めはするけど固定はしない"みたいな感じですかね。

 

★声優さんリレーインタビュー★
エダード役・手塚秀彰インタビュー>>「え? これ映画じゃないの?」

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20130124_05.jpg『ゲーム・オブ・スローンズ』
スター・チャンネルにて日本独占放送!

【二か国語版】2013年1月27日(日)22:00~
【字幕版】2013年1月28日(日)21:00~
※初回第1話無料放送

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