『アメリカン・ホラー・ストーリー(以下:アメホラ)』は、米FX発の大人気ミニシリーズだが、実は本作で美術監督を務めるマーク・ワーシントンは、米HBOの大河ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ(以下:GOT)』の美術監督の候補者としても選ばれていたという。
米E!ONLINEによれば、これまで『アメホラ』で3シーズンに渡り美術監督を務めているワーシントンは、『GOT』の仕事を逃した経緯について、当時を振り返り「(『GOT』の)面接には行ったんだけど、イメージの膨らませ方を失敗したんだと思う」と、コメントしているという。どのような失敗だったかといえば、「僕にとっては『GOT』のイメージは迷宮やドラゴン、石の塔といった誰もが想像するような一般的な大河ファンタジーだったんだ。そこで、全体が木でできていて、高くそびえ立つどこか不思議で素晴らしいノルウェーの樽板教会(支柱と梁でできた中世の教会)のアイディアを持っていったんだ。みんな気に入ってはくれたんだけど、「最終的にはこの作品を見る視聴者がいるわけだから...、米HBOでは通用しないんじゃないかな」と言われたよ。こういったファンタジーの世界には、満たさなきゃいけない一定の期待値というものがあるんだね」と語っており、現在の『GOT』とは異なったイメージを思い描いていたようだ。
『GOT』と言えば"鉄の王座"をめぐる争いが描かれた作品だが、ワーシントンが手がけた『アメホラ: Coven』にも、自身が"骨の扇"と名づけた玉座と思しき椅子が登場している。ワーシントンによればこの玉座は、大きなひだ襟で頭全体を縁取られたエリザベスⅠ世の肖像画から影響を受けてデザインしたもので、「(あのひだ襟の装飾は)エリザベスⅠ世に女王としての特別な資質や力を与えているんだ。椅子にそういった装飾を施せば面白いんじゃないかと思ったんだ。ちょっと妖しい感じで、何よりもマリアを不思議な魅力で彩るのに役立つんじゃないかとね...」と、その狙いを明かしている。
ワーシントンは『GOT』での仕事は逃してしまったものの、現在の『アメホラ』で3シーズンに渡り製作総指揮のライアン・マーフィーと仕事ができていることにこれ以上ないほど満足しているようで、「(マーフィーは)正反対の提案や、一見すると予想外のものにも凄く柔軟なんだ」と語っている。(海外ドラマNAVI)
Photo:『アメリカン・ホラー・ストーリー:精神科病棟』
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