【お先見】『ザ・ストレイン(原題:The Strain)』 映画監督ギレルモ・デル・トロが製作した、すっごいホラー・サスペンス!

映画『パンズ・ラビリンス』や『パシフィック・リム』で今やセレブ監督となったギレルモ・デル・トロが、ついにテレビ界に進出! 今日ご紹介する『ザ・ストレイン』は、デル・トロ監督が製作総指揮も兼ねた細菌ホラー・サスペンスで7月に全米放映が始まるやいなや話題騒然! 奇しくも番組のスタート時期が伝染病エボラ出血熱がアフリカで猛威を振るい始めた時期と重なっているのもかなり不気味な付録...。

ドラマの舞台はニューヨークです。JFK国際空港にすべての乗客と乗組員が着席したまま死亡している状態の旅客機が到着するところから第1話はスタート。正体不明の伝染病が疑われ、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)から、エフラム医師(コリー・ストール)を筆頭とする計3人が呼ばれるのですが、その間に立ち入り禁止の飛行機から巨大な積み荷が降ろされます。なんと、エフラムの部下ジムが何者かに賄賂をつかまされ、この荷をチェックポイントから出してしまうんですね~。この荷が人類を地獄に陥れることになるとも知らずに...。

問題のジムを演じているのは、映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのサムことショーン・アスティン。ショーンは、サム役でも本当にいい味だしていましたが、『ザ・ストレイン』も彼のおかげで番組に厚みがでてます。あと、『ハリー・ポッター』シリーズのアーガスとしてお馴染みのデヴィッド・ブラッドリーがこの番組では、悪を倒すカギとなる秘密の剣を持ったエイブラハムという正義の味方オジイちゃんとして登場してます。サンディエゴのコミコンで、『ザ・ストレイン』のパネルディスカッションに入場した際にデヴィッドも来ていて、「この年齢になって、こんなカッコいい役をやれるのはとても光栄だ。」と言ってました(^^)。

このパネルには、デル・トロ監督もお目見えしていたのですが、『ザ・ストレイン』の原作は、なんとデル・トロ監督が自ら執筆し2009年に出版された同名小説なんです。アイデアの源を聞かれた監督は、「人間の体内にはごまんという細菌が住んでいて、その中には良い細菌もいれば悪い細菌もいる。悪い菌が蔓延り出したらどうなるか...。という辺りから思いついたんだ。」と語っていました。

番組にはかなりグロいシーンも多いので、そのことを聞かれた監督は、「気味の悪いものは全部詰め込んでみたんだ」とニヤリ。デル・トロ監督って、見ているだけでホッコリしてしまうクマさんのような出で立ちと、心底映画作りを楽しんでいる幸せオーラが伝わってきてサイコーです。この番組でも、エピソードごとに映画撮影なみの綿密なビジュアル・プランをたてて、VFX面は全て、そして他のプロセスにも事細かに関与しているんですって。寝るヒマなさそ~! 映画界のナポレオンのような人だ!(笑)

多少、話が前後しますが、番組のPRポスターというのが非常にエグいデザインでして、巨大な人の目からミミズのような虫が垂れ下がっているというスゴいアートなんです。番組がプレミアする前にそのポスターが街角のビルボードにドド~ンと登場したんですが、するやいなや製作スタジオには、「子供が怖がってる!」に始まり、「気色ワルすぎる!」といった苦情が殺到! そのうち、「"ザ・ストレイン"のビルボードを撤去する会」なるツイッター運動まで立ち上がり、結局スタジオが数カ所のビルボードを撤去するというニュースがあったんです。

でもハリウッドでは俗に「マイナスになるPRなどない」と言われるように、傍目には悪影響かと思われたこの"ビルボード事件"も、番組の期待をあおるのに大いに役立ったようで、『ザ・ストレイン』の評判は絶好調!とにかく面白いので、毎週1エピソード終わるたびにあと1週間待たなければならないのがツラいんですよねえ。日本の海外ドラマ・ファンのみなさんにも早く見てもらいた~い!!

Photo:『ザ・ストレイン』スチール写真 (画像右がコリー・ストール) (C)amanaimages ショーン・アスティン (C)Izumi Hasegawa/www.HollywoodNewsWire.net ギレルモ・デル・トロ (C)Izumi Hasegawa/www.HollywoodNewsWire.net