『GOTHAM/ゴッサム』ロビン・ロード・テイラー インタビュー!「僕はバットマンシリーズの映画やTVドラマを観て育った」

世界的な人気、知名度を誇るダークヒーロー・バットマン。その活躍に必要不可欠な存在であるゴッサム市警本部長ジェームズ・ゴードンの若き日を描いたドラマ『GOTHAM/ゴッサム』。今回は、シリーズ屈指の名キャラクター・ペンギンを演じるロビン・ロード・テイラーのインタビューを公開! 小さい頃からバットマンの大ファンだったというロビン。憧れの作品に出演する喜びと、演技へのこだわりを語ってくれた。

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――お会いできて嬉しいです。その衣裳、素敵ですね。

ありがとう! パトリシア・フィールドが今日の撮影のスタイリングを全部やったんだ。彼女は、ほんとうに天才だよ。自分では選ばないような衣裳だけど、パトリシア・フィールドが選ぶと様になるというか、マスターの手の中にいるようだね。

――あなたはバットマンのコミックについて、特にペンギンについてどのくらい知っていましたか? そしてどんなリサーチをしましたか?

小学校の放課後、アダム・ウエストのオリジナルのバットマンのTVシリーズが再放送されていたのを毎日観ていたんだ。バーゲス・メレディスのペンギンの演技を観られるのは貴重で、子供が観ても楽しめるものだったね。

それから、コミックを2、3冊読んだ。僕はそんなにコミック大好きな子供ではなかったけどね。一番僕に影響を与えたのは、ティム・バートンの『バットマン』シリーズで、その一作目(『バットマン』1989年公開)の封切り初日に行ったんだけど、映画館の周りに行列ができるのを初めて見たよ。あれは、僕にとってとてつもなく大きな出来事だった。それから、ダニー・デヴィートが出演している続編(『バットマン・リターンズ』1992公開)が作られて、ケーブルTVで毎日のようにやっていたから、もう何百回と観た。だから僕は、彼らの演技やキャラクター、ゴッサムシティの創造をよく知っているんだ。

DCコミック代表のジェフ・ジョンソンがこのドラマに深く関わっているのは、とても贅沢なことなんだけど、この仕事を得てから早い時期にあるイベントで彼と一緒になれたんだ。そこで「もし僕が読んだ方がいいコミックがあれば、そのタイトルを教えてもらえませんか?」って尋ねたんだ。そしたら彼は、「君の住所は?」と聞くんだ。そう、DCコミック代表のジェフ・ジョンソンが個人的にいくつかのコミックを選んでくれたんだよ! ペンギンがどういう育ち方をしたのかとか、彼のモチベーションとか、彼はどうなっていくのかとか、そういったことが出ているコミックを。

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――あなたは、これまで演じられてきた他のペンギンたちから影響を受けていますか?

もちろんさ。前に言ったように、僕はバットマンシリーズの映画やTVドラマを観て育った。ダニー・デヴィートとバーゲス・メレディスは両方とも信じられないほど素晴らしい俳優だしね。でも、僕は自分のバージョンのキャラクターを創りたかったし、彼らの演技を直接参考にしたくはなかった。でも、僕が自分のキャラクターに取り入れたのは、二人が創ってきたキャラクターが純粋に楽しいものであり、ペンギンにも楽しいときがあるという事実なんだよ。

――彼の親は、多くの答えを知っているのでしょうか?

知っているよ。

――あなたのキャラクターについて教えていただけますか?

オズワルドと母親はとても親しく、彼女はオズワルドに大きな影響を与えているんだ。そして彼は、ゴッサムシティでたった二人だけを信用している。一人は母親で、もう一人はベン・マッケンジーが演じるジム・ゴードンさ。そして、このドラマの大きなテーマは、我々は環境の産物であるということだね。そこに出てくるキャラクターはみな、ゴッサムシティや親たちの産物で、親の影響もそこにはある。ドラマでは、キャラクターたちや彼らの動機が、明らかになっていくんだ。

――この世の中にもヴィラン(悪党)はいます。ゴッサムは、今の時代とどのように関係していると思いますか?

今の時代と関係しているという感じはするね。ヴィランとは言っても、僕らがこのドラマで創ろうとしているのは、リアルな人間で、彼らの悪行の背後にある動機をみせている。繰り返しますが、僕らはみな環境の産物、人を大雑把に描くことはできないからね。誰にでもいろんな色調の灰色や色彩があり、僕らは、彼らの人間味を実際に見せているんだ。

今の時代と関係している点は、誰がどこから来て、どんなことを経験してきたのかを知ると、その人に感情移入してしまう。そのため、たとえ彼らがひどいことをしたとしても、ひどい奴として追放するのは本当に難しい、ということだね。心底悪い人はいない。僕らはみな、経験してきたことによって形成されているんだから。

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――あなたのキャラは悪党ですが、嫌うどころか大好きです。どんな反応をファンから受けていますか?

多くのことさ。皆は、あなたが言ったように「このキャラ、以前は全然好きじゃなかったけど、今は大好き」だと言ってくれるんだ。多くの人が、僕が誰かを20回刺しても、僕が誰かにパンチを食らわされたら、動揺すると言うんだよ。僕の言っている意味がわかるかな? 皆が、「お願いだから、ペンギンを傷つけないで」って思っているんだ。人がどういう風に反応するのか見るのは、ほんとうに面白いし興味深いんだよ。

――キャラクターのバランスをとるのは難しいですか? あなたはファンに好きでいて欲しいけど、同時に彼はバッドガイだから。

まったく難しくはないよ。というのも、製作総指揮でクリエイターのブルーノ・ヘラーがとても明解な良い脚本を書いてくれたおかげで、オズワルドのモチベーションがしっかり理解できるからね。まったく難しいとは思わない。すべてが脚本のページのなかにあり、とても明瞭で、演じるのがとても楽しいんだ。

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――お母さんの他に信用している唯一の人は、ジム・ゴードンだということですが、彼との関係性はあなたのキャラクターをどう形つくると思いますか?

まず、ジム・ゴードンには命を助けてくれたという借りがあって、オズワルドはそのことを決して忘れないし、常に意識している。彼らにはそんなつながりがあるんだ。

それに、オズワルドはゴッサムシティを通して成長していくけれど、彼が力を得るにつれ、多方面の協力者が必要になっていくんだ。他のキャラクターを見ていると、フィッシュ・ムーニーとハーヴェイ・バロックにはとても深いつながりあるのがわかるよね。善人と悪人がこの街で一緒にやっていて、彼らはとても強くつながっているんだ。オズワルドとジムも同じように、そういう意味でお互いを必要としている。ドラマが進むにつれ、確実にもっとそれが表れることになるだろうね。

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――どうしてバットマンの世界はこれほど人気があり、数えきれないほどの新たな解釈(による作品)の大きなインスピレーションになっているのでしょう?

それは、彼はスーパーヒーローだけど、あくまで人間なんだということが大きいだろうね。バットマンの世界では、超能力を持った人は誰もいない。どこか話しやすいというか、身近なところがあると思うんだ。それが、人が興味を持つ最大の理由だと思うよ。

ゴッサムシティには重力があって、飛んだり跳ねたりすることはできないんだ。そこには共感できる何かがあって、だから人はそういうところに反応するんじゃないかな。

――あなたはバットマンのファンだったということですが、子供の頃はどのキャラクターを演じてみたかったですか?

もちろんジョーカーさ。でも......

――ペンギンは2番?

今はペンギンが1番だよ(笑)。ブルーノが創った世界はペンギンのキャラクターをとても輝かせているから、物事がうまく進んでいて、とても嬉しく思っているよ。

――さっきあなたのペンギンのクリエイションはダニー・デヴィートとトップの座を争っていると話していたところです。

本当に!? それは光栄だな。ダニー・デヴィートの大ファンで、『バットマン・リターンズ』での彼の演技は、僕にとって忘れられない偉大なものなんだ。教えてくれてありがとう、夢のようだよ。

――役作りをするにあたり、どのように準備をし、どんな挑戦をしましたか?

この仕事を得たとき、コミックに戻ってペンギンの出自の話をいくつか読んだ。そして、彼がいじめられっ子だったことを知ったんだ。彼の外見と興味のため、同級生から容赦なくいじめられるんだよ。僕はすぐにそのことにひきずりこまれ、完全に同じ心境になることができた。このことが、彼に人間味を与えているんだと思う。

だから、コミックを読んで、彼の出自や子供の頃の経験、どういう風に彼が形成されていったのかを知ることが、このキャラクターを創るのに役立ったよ。そして今後の挑戦は、彼をできるかぎり三次元の人間にすることだと思っているよ。腹黒くて極悪非道なキャラクターは、創るのがより面白いと思うし、彼の出自を知り、彼と同じ心境になるため、ちょっと共感できるように創るのもまた面白いことだね。それは、自分自身のなにかを現しているんだ。

彼をコミックっぽくしないことは、現在進行形の挑戦なんだ。でも、そんなに挑戦でもないかもしれない。なぜなら、脚本が完璧だからね。

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――あなたの役は、今年のTVドラマで一番人気のあるキャラクターです。そのことにプレッシャーを感じますか?

もちろん感じるよ。もしこれでプレッシャーを感じなかったら、人間だとは思えないね。僕は、自分がこのようなものの一部を担うとは、夢にも思わなかった。ただ、俳優になりたかっただけなんだ。こんなに大きなものに参加することや、バットマンが75年も続いているという事実とその影響力の大きさには、圧倒されるよ。

でも同時に、反応がとても肯定的なんだ。僕は、人が自分について良いことを言っているのを信じるタイプではないから、そのことを受け入れるのは大変なんだけど、それもチャレンジだね。でも、人からこんなに良いフィードバックを受けるのはとても恐縮だね。

――あなたのペンギンとバットマンシリーズの他のペンギンたちと、違う点と共通点は何だと思いますか?

多くの違いがあると思う。僕のペンギンはゴッサムシティで世間に認められていないし、多くの間違いをしながら学んでいる。それが大きな違いかな。僕らは、彼が人の操り方やゴッサムシティでの生き方、街で影響力のある人になる方法を見つけ、学ぶ姿を見ているんだ。

一方で、他の俳優によってすばらしく演じられてきて、僕らも復活させようとしていることは、彼のものすごい野望、そして彼の身体的な欠陥がその野望を与えてきたという事実なんだ。それに、彼は変にチャーミングなところがあるだろ? 彼は、とても人を操るのがうまいけど、それもこのキャラクターのキャラクタライゼーション(性格描写)に確実に取り込まれているんだ。キャラクターのキャラクタライゼーションっておかしい? これ、他の人には言わないでね(笑)。

――あなたはニューヨークに住んでいますよね。この街がドラマのロケ地に決まったことに驚きはありますか?

夢のような感じだね。僕はここに長い間住んでいるニューヨーカーだから、すごくラッキーだと思うよ。ここは今の時点で、僕のホームタウンだ。このようなドラマに参加していなければ、見られないような場所で撮影しているんだよ。ニューヨークの街は、ドラマに美しいレイヤーを加えて、豊かなものにしている。他の街ではこれほどドラマをよく見せられないだろうね。ニューヨークじゃなければならないんだ。他のどこかでは、同じように創ることができない。それは、とても楽しい部分だね。

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『GOTHAM/ゴッサム』放送&DVD情報
■放送情報
AXNにて、
・HD二カ国語版:5月11日(月)22:00放送スタート
・HD字幕版:5月14日(木)23:55放送スタート
・「遂に上陸!『GOTHAM/ゴッサム』スタート直前スペシャル」HD日本語版(1時間):5月1日(金)21:00、5月4日(月・祝)22:00他

■DVD情報
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントより、
7月22日(水)レンタルDVD Vol.1~4(各巻2話収録)/デジタルレンタル順次配信開始
8月12日(水)レンタルDVD Vol.5~8(各巻2話収録)
9月9日 (水)レンタルDVD Vol.9~11(各巻2話収録)
9月9日(水)ブルーレイ&DVD発売
「『GOTHAM/ゴッサム』 <ファースト・シーズン> コンプリート・ボックス」
・ブルーレイ(4枚組)¥16,200+税
・DVD(11枚組)¥14,300+税
発売・販売元:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

Photo:
『GOTHAM/ゴッサム』 ロビン・ロード・テイラー
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『GOTHAM/ゴッサム』劇中スチール
(C)Everett Collection/amanaimages