世界中で絶大な人気を誇るダークヒーロー・バットマンの相棒である、ゴッサム市警本部長ジェームズ・ゴードンの若き日を描いたドラマ『GOTHAM/ゴッサム』。本作で主人公ジェームズ・ゴードンを演じているベン・マッケンジーに海外ドラマNAVIが直撃インタビュー! 随所に主役としての責任感と俳優としての意識の高さを感じさせ、劇中のゴードンさながらの誠実さで、チームワークの重要性やドラマの魅力を語ってくれた。
――この作品への出演が決まった時の印象は?
とにかく嬉しかったよ。有難い事にブルーノ・ヘラーは僕を思い描いてこのドラマの脚本を書いてくれたらしくて、本当に光栄に思ったし、電話が来た時は「YES」と即答しないように苦労したよ(笑)
――映画版でゴードンを演じたゲイリー・オールドマンの事は意識しました?
いや。彼は素晴らしい俳優だし、役者として僕のヒーローである事は間違いないけれど、彼が演じたゴードンは、僕が演じるゴードンの2、30年後の姿だし、彼を取り巻く環境も全く違うものだから、あえて参考にはしなかったんだ。クリストファー・ノーラン監督の映画版と『GOTHAM』の世界観は違うしね。映画版ではすごくザラついた、現実を超えた現実みたいな部分があるけれど、僕等の作品はファンタジーの世界に根付いた現実感を出すように意識していて、ある意味でダークなグリム童話のような感じと捉えているんだ。それに俳優として、他の人が演じたキャラクターをそのまま真似たり、体現しようとするのは意味がないと思うんだ。やっぱり自分自身で解釈したものを演じたいからね。
――これまで『バットマン』シリーズでは脇役だったジム・ゴードンが、この『GOTHAM』で主人公になった理由はなんだと思いますか?
そもそも「何故今ゴードンを主人公にした物語を語る必要があるのか」っていう疑問がみんなの中にはあると思うんだけど、その答えはゴードンがヒーローだからだよ。突き詰めて言うと、バットマンが登場する前のヒーロー。ブルース・ウェインがバットマンになれたのは彼のおかげだと思うし、ゴードンなくしてブルースがバットマンに成長する事はできなかった。彼らの関係がなければバットマンは生まれなかったと言っても過言ではないんだ。そのブルースが大人になるまでの中継ぎってわけじゃないけど、代理的なヒーローがゴードンなんだ。
――でも完全無欠のヒーローではないですよね。周囲からは石頭だ堅物だと揶揄され、女性には振り回され、そういう人間くさいところが魅力なのかなと思うのですが、あなたから見たゴードンの魅力はどんなところなんでしょう?
僕が思う彼の魅力は他の人物になろうとしないところなんだ。自分は自分、これが自分なのだから仕方がないとちょっと諦めを持って、でもきちんと受け入れているんだ。彼はガンコだし、それで周囲から批判を受ける事もあるけど、妥協する事ができない性格だから、どうする事もできないんだよ。バーバラとの関係にしても、ゴードンは彼女に対してすごく忠誠心を持っているんだ。だけど心のどこかで彼女とは合わないんじゃないかと思ってる。でもその忠誠心でどうにかなるんじゃないかと思って頑張って続けてるんだ。そういうところが憎めないし、他の人になろうと思っても出来ない不器用さが魅力になっているんだ。
――相棒のハービー・ブロックとの関係も原作コミックスとは違って、相棒感が強く出ていますが、演じるドナル・ローグの印象は?
彼はベテランだし、いつも素晴らしい演技をしてくれる。演じているブロックと同様すごくエネルギッシュでワイルドな人だけど、性格は全然違う。僕がこれまで一緒に仕事をした俳優さんの中でも一番心が広いと言っても過言ではないくらい心が広くて、面倒見が良くてみんなの愛を受け止め、そして与えてくれる、そういう人なんだ。正直、ドラマの撮影ともなると、年間9~10カ月一緒に働く同僚になるわけだから、やっぱりいい人に恵まれたいし、そういう意味でも素晴らしい相棒だと思ってるよ。
――来日されたメンバーを見ていても、みなさん本当に仲が良いなと感じるのですが、このチームと一緒に仕事をしていて一番エキサイティングに感じるのはどんな時ですか?
仲間意識というのはこれがなかなかくせ者で、作ろうと思って作れるものではないし、自然発生的に生まれ、そして育んでいかなければならないものだって、僕はこれまで出演した作品からもすごく実感している事なんだ。やっぱりお互いに心の底から尊敬し合い、一緒に仕事をしていこうという意識がないと、仲間意識は生まれないよね。そもそも、この作品は最初から期待感が高かったから、みんな結構プレッシャーを感じていたんだ。「成功させざるを得ない」ってね。でもそのプレッシャーがかえって僕たちを団結させたと思うよ。それに制作のブルーノ(・ヘラー)やダニー(・キャノン)とも話していたんだけど、僕が一番大事にしているのは、作品というのはコラボレーションであるという事。だからお互いの意見を出しやすい環境を作るのがすごく重要なんだ。もちろん役者としての大前提として、脚本を読み込み、準備万端整えて撮影所に行くんだけど、それを押し通すのではなく、そこからさらに違う意見を出しやすい環境を作る事を大切にしているんだ。
ベンのほか、来日したキャストのインタビューも順次公開予定。お楽しみに!
■DVD情報
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメントより、
7月22日(水)レンタルDVD Vol.1~4(各巻2話収録)/デジタルレンタル順次配信開始
8月12日(水)レンタルDVD Vol.5~8(各巻2話収録)
9月9日 (水)レンタルDVD Vol.9~11(各巻2話収録)
9月9日(水)ブルーレイ&DVD発売
「『GOTHAM/ゴッサム』 <ファースト・シーズン> コンプリート・ボックス」
・ブルーレイ(4枚組)¥16,200+税
・DVD(11枚組)¥14,300+税
Photo:『GOTHAM/ゴッサム』ベン・マッケンジー
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