犯罪捜査ドラマ『アクエリアス』、実際の殺人事件の描写が「無神経」と批判される

デヴィッド・ドゥカヴニー(『X-ファイル』)が主演・製作総指揮を務める犯罪捜査ドラマ『アクエリアス 刑事サム・ホディアック』のシーズン2が、本国アメリカで先週より放送されている。しかし、劇中で描かれる殺人事件が批判を浴びていることが分かった。米Varietyが伝えた。

問題となっているのは、女優シャロン・テートの殺害事件。1969年、26歳のシャロンは夫で映画監督のロマン・ポランスキーと住んでいた家で、チャーリー・マンソン率いる狂信集団に襲われ、惨殺された。当時、彼女は身ごもっており、事件の残虐性が大きな話題を集めていた。

今回放送された予告の中には、倒れて死んでいるシャロンの顔がアップで映し出され、その遺体をマンソンが跨ぐというシーンがある。これを見たシャロンの妹であるデブラさんは、「もし自分の死体が床に倒れていたら、誰もがそんな姿は見られたくないはずです」と批判。彼女は放送局である米NBCにドラマの放送中止を求めたが、局には完全に無視されたと述べており、せめて謝罪はしてほしいと訴えている。「あの事件を描くのなら、細心の注意を払ってもらいたいの。そうでなければ、せめて何をやっているのかを知らせるという誠意を見せてほしい。こんな失礼極まりない形で人のことを描くなんて、無神経にもほどがあるわ」とデブラさん。

デブラさんによれば、実際の事件を映像化する時に、事実とかけ離れた描写をしていることは今回に限ったことではないという。米FXのアンソロジー・シリーズ『American Crime Story(原題)』も同様だそうで、「この業界に、これまでとは違う姿勢を見せてほしい。最低限、謝罪をすることはできるはず」と述べている。(海外ドラマNAVI)

Photo:『アクエリアス 刑事サム・ホディアック』
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