世界進出をスタートさせたAmazonプライムビデオ、Netflixを超える日は近い?

有料動画配信サービスAmazonプライムビデオが、提供国を200か国に増やすことを発表した。これにより、現在唯一世界規模で展開している動画配信の最大手Netflixに対抗していく方針だ。米Forbesが報じている。

現在、Amazonがサービスを提供しているのはアメリカ、イギリス、オーストラリア、ドイツ、日本の5カ国のみ。近々インドでの配信がスタートするが、その後200以上の国への提供を目指すことになる。ライバルのNetflixは今年初めにグローバル化を進め、アメリカを拠点に国際市場の中で急速に成長している。10月に発表された2016年度第三四半期の決算では、予想していた200万人を上回り、320万人の新規加入者を獲得したと報告された。

しかしながら、これまでは圧倒的に勢力を伸ばしていたNetflixも、今後はAmazonをはじめとするライバル社との競争を余儀なくされるだろう。そしてやはり重要になるのが、配信する動画のクオリティだ。Amazonでは、英BBCの人気長寿番組『トップ・ギア』で司会を務めたジェレミー・クラークソン、リチャード・ハモンド、ジェームズ・メイらによるオリジナル自動車番組『グランド・ツアー』が、最近配信が始まったオーストラリアを含め各国で高い評価を得ている。Amazonは、来年以降さらにオリジナルコンテンツを増やしていくことを発表しており、この部門においても頭一つとびぬけていたNetflixは今後さらなる進展が必要になりそうだ。

国際市場で見ると、両社には異なる拡大戦略がある。Amazonは、1度に1つの地域のペースでゆっくりと拡大し、各国それぞれのローカル番組の配信に力を入れている。これからサービスの提供が始まるインドでは、ローカルコンテンツを充実させてインド国民にアピールするために、現地のプロデューサーと提携して番組調達を進めている。一方Netflixは、自分の国では見ることのできない外国番組の配信にこだわり、特定の視聴者にアピールしてきた。そんなNetflixにとってインド国内での拡大が上手くいかないのは、ローカルコンテンツが不足していることが原因。この点において、Amazonは映画大国インドでも大きく成長できる可能性があるのだ。

どのようなシリーズ・映画を配信するか、そしていかにクオリティの高いオリジナルコンテンツを製作できるか。動画配信サービスの競争は来年以降さらに激化していくだろう。(海外ドラマNAVI)

Photo:『グランド・ツアー』シーズン1
Amazon Studios