『ブラックリスト』ハリー・レニックス&アミール・アリソン直撃インタビュー

世界中に散らばる凶悪犯罪者たちを追う人気アクション・サスペンス『ブラックリスト』。スーパー!ドラマTVにて1月31日(火)よりシーズン4が独占日本初放送されるのに先駆けて、ハロルド・クーパー役のハリー・レニックスアラム・モジタバイ役のアミール・アリソンが来日。チームをまとめる頼もしきリーダーを演じるハリーと、チームの心優しきITスペシャリスト、アラムを好演するアミールという二人が、ドラマの魅力を語ってくれた。

20170126_blacklist_01.jpg

――『ブラックリスト』は2013年にスタートして以来、世界中で人気を博していますが、最初からそんな予感はあったんでしょうか?

ハリー:いや、まったく予想が付かなかったよ。この世界では何が起こるか分からないからね。

アミール:ハリーが言ったように、どんなドラマがヒットするか、誰にも予想はできないよね。アメリカのレストランなんかもそうだけど、オープンして最初の1週間は大人気でも、そのほとんどはしばらくすると潰れてしまう。ドラマでも1年続くこと自体がミラクルに近いものなんだ。

20170126_blacklist_03.jpg

――アメリカのドラマの中でも犯罪ドラマというジャンルはとても人気があって、それだけに他の作品との差別化が重要になってくると思うのですが、『ブラックリスト』が多くの犯罪ドラマの中でも人気となったのにはどんな理由があると思いますか?

アミール:『ブラックリスト』が人気作になったのには、僕は4つの理由があると思っているんだ。まずは一話完結なこと。このフォーマットは、アメリカに限らずどの国でも人気だと思う。この一話完結方式の特徴を持ちながら、ミソロジー(神話)とヒストリーを織り込んでいることが第2の理由。これはレディントンとは何者なのか、そしてエリザベス・キーンの過去に何があるのか、ってことだね。これが人々を魅了するんだと思う。そして第3の理由はブラックリスターの存在。これはある意味、脚本家にとっては限りないイマジネーションを生み出すものだよね。見る側にとっても、次から次へと様々なタイプの悪人が登場するからより魅力的になっていくし、とても上手いコンセプトだと思う。そして4つ目の理由はやっぱり、これまで多くの作品で素晴らしい演技を披露してきたジェームズ・スペイダーが、パーフェクトなキャラクターを演じていることだと思う。彼だけでなく、周りを固めている俳優たちもそれぞれがパーフェクトなキャスティングだったから、このドラマはこれほど多くの人に支持されたんだ。

ハリー:そうだね。ジェームズ・スペイダーの存在はやっぱり大きい。彼の演技は多くの人を魅了しているよ。でも私はそれと同時に、ストーリーにも大きな魅力を感じている。エリザベス・キーンとは何者なのか、レディントンはなぜ彼女のためにこれほど多くの悪人を当局に提供し続けるのか、その謎をめぐるドラマはとても魅力的だよ。

20170126_blacklist_02.jpg

――このドラマにおいて、ジェームズ・スペイダーの存在はとても大きいと思いますが、実際に彼と一緒に仕事をしていて、どんな刺激を受けますか?

ハリー:ジェームズは本当に入念に準備をしてくるんだ。彼ほどの人にもかかわらず、いろんな演技プランを考えていて、それを積極的に実践しようとする。これまで培った多くのメソッドが彼にはあるけれど、その上でさらにより良いものにしようといろんなことを考えていて、その頭の中の考えがまるで聞こえてくるかのようなんだ。そんな彼と一緒に演技をすると、そのシーンにいる全員の実力がちょっと上がる。彼のそんな姿を見て、みんな頑張らなくてはと思うし、そうやって仲間たちを引き上げてくれる存在なんだよ。

アミール:これは本当によく聞かれる質問なんだけど、僕はジェームズだけでなく、共演者全員と一緒に演技をするのが楽しいよ。みんな実力があってそれぞれに個性があって、魅力的なんだ。ジェームズについて語ってくれと言われればたくさん語れるけど、それと同じくらいみんなのことも語れるよ。とはいえ、やっぱりジェームズと共演するというのは、俳優にとって本当に特別なことだし、残念ながらアラムのポジション的に毎回彼と同じシーンを演じられるわけではないんだけど、だからこそ彼と一緒のシーンは僕にとって特別なもので、いつもすごく楽しみにしているんだ。目の前に彼がいると、その存在感は本当に大きくて、すごくパワーを感じるよ。

20170126_blacklist_05.jpg

――シーズン4では、前シーズンの終盤にリズが死を偽装したことによる影響がキャラクターの関係性にも響いてきそうですが、今後彼らの関係はどう発展していくのでしょう?

ハリー:私自身は、リズの行動はみんなにとってベストな行動だったと思っているんだ。少なくともクーパーは彼女のことを許すと思う。なぜかと言えば、彼は大前提としてプロフェッショナルな人間だから。もちろんリズとの友情という観点から言えば、気持ちを裏切った云々ということも大切なんだけど、それよりもプロフェッショナルなクーパーにとってのリズの価値、彼女がいるからこそ、レッドが多くの悪人を提供してくれるということの方が大きいんだ。そしてその関係性はこれまでと変わっていないからこそ、クーパーは彼女を許せるんだと思う。

アミール:確かシーズン2だったと思うけど、実際クーパーが「感情は抜きにしてしっかり仕事をしろ」というようなことを言ってるんだよね。その言葉がアラムの頭にも残っているだろうから、彼もなんとかきっちり仕事をしようと頑張っているんだ。彼は本当に優しいから、怒ってはいても時が経てばその怒りも和らいでくるとは思う。実はシーズン4の第3話でアラムとリズが会話を交わすんだけど、そのやり取りに彼の気持ちが集約されていると思う。彼にとってリズは絶対に憎めない相手だけど、彼女がやったことに対しては憎しみがあるってことだね。

20170126_blacklist_04.jpg

――本作にはこれまでたくさんの悪人が登場してきましたが、今でも印象に残っているブラックリスターは?

ハリー:私はシーズン1の第4話に出てきたシチューメイカーかな。つかみどころがなくて、すごく変な人物だったよね。よくよく考えてみると、彼のモチベーションっていうのは、どこから何を意図しているのか、まったく分からないんだ。金で雇われてる傭兵だけど、掴みどころがなさすぎて、すごく印象に残ってるよ。

アミール:あまりにもたくさん出てきて、気になったブラックリスターは何人もいるんだけど、延々としゃべるのも申し訳ないので今日の時点でのお気に入りとして一人に絞ると、デヴィッド・ストラザーンが演じていたCIA長官の局長かな。デヴィッドは長年僕が尊敬してきた俳優だし、局長はアラムが対決した数少ない悪人でもあるからね。彼の演技を実際に目の当たりにできたことは僕にとってとても大きなことだったし、局長はとにかくインテリで頭が良く、巧妙な人物だったよね。アメリカ政府の要人でありながら、「結社」の重要人物でもあり、他のブラックリスターより格上で、レッドと同等の立場にある悪役だったということですごく印象深いよ。

20170126_blacklist_06.jpg

――アメリカのTVシリーズの魅力の一つは何年も続けば続くほど、キャラクターの個性も強くなり、内面も掘り下げられていくことですが、お二人がそれぞれ演じるキャラクターの気に入っている点はどこですか?

ハリー:クーパーの威厳のあるところがすごく好きなんだ。そして論理的なところも。だけど彼は四角四面な人間じゃない。とても崇高な志を持っている人物だけど、その志を貫くために、時には法に触れてしまうこともある。それでもその道を突き進もうとするクーパーの意思の強さを、好ましく思ってるよ。

アミール:アラムはクーパーのそういったところをすごく尊敬していると思う。アラムは逆になかなか法を冒してまで何かをすることができないから。彼にとってはすごく抵抗感があるんだ。そこが彼の学ばなければならないところだし、変化しなくてはいけない部分かもね。アラムの好きなところは5つあるよ。ユーモアのセンス、仕事に献身的なところ、繊細なところ、頭がいいところ、あとこれは僕自身とは全く違うんだけど、時々ぎごちないというか、ちょっと変わっていて野暮ったいところ、そこがすごく好きだよ。そんな彼もシーズン1では人を殺してしまったりしたんだけど、その後の彼の気持ちを綴ったアラムのブログというのが、あのエピソードの後からNBCのサイトでスタートしたんだ。

――それは誰が書いてるんですか?

アミール:もちろんアラムだよ! サンタが実在するように、アラムも実在するんだから(笑)

20170126_blacklist_key art.jpg

■『ブラックリスト』シーズン4 放送情報
スーパー!ドラマTVにて1月31日(火)22:00より独占日本初放送
[二]毎週火曜 22:00~
[字]毎週火曜 深夜0:00~
番組公式サイトはこちら

Photo:
ハリー・レニックス、アミール・アリソン
『ブラックリスト』シーズン4
(C) 2016, 2017 Sony Pictures Television Inc and Open 4 Business Productions LLC. All Rights Reserved