『パワーレンジャー』レッドレンジャー役デイカー・モンゴメリー 直撃インタビュー!

アメリカでTV放送している日本の特撮『スーパー戦隊』シリーズの英語ローカライズ版を、ハリウッドの超大型プロジェクトとして映画化した『パワーレンジャー』が7月15日(土)より公開中。本作でパワーレンジャーのリーダーであるジェイソン・スコット/レッドレンジャーを演じてハリウッドデビューを果たしたデイカー・モンゴメリーを直撃インタビュー! 本作の内容や、"戦隊ヒーロー"について語ってもらった。

――ジャパンプレミアも大盛況でしたが、来日した感想は?

実は10年前、家族と一緒にプライベートで日本に一度来たことがあるんだよ。日本のプレミアとアメリカのプレミアでは雰囲気が全然違ったね。日本のファンはすごく敬意を払ってくれるんだ。レッドカーペットでもすごく熱気があって、エキサイトはしているんだけど、ちゃんとしているんだよね。

――日本人はちょっとシャイなところもありますからね。お疲れは出ませんでしたか?

確かにちょっと日本人の方が落ち着いているかな(笑) 疲れたりはしていないよ! 他の街に来れて嬉しいから、興奮してハイテンションなんだ(笑)

『パワーレンジャー』

――出演者として、『パワーレンジャー』の"戦隊ヒーロー"という日本生まれのフォーマットに、どのような印象を持ちましたか?

非常に普遍的な物だと感じたね。自分がどの国で、どこから来た人であっても、そして年齢も関係無く楽しめる作品だなとね。日本が生み出したこの"戦隊ヒーロー"というフォーマットは、人間というものは集まって、そして一緒になって協力し合うことでパワーを発揮できる、というものなんだよね。ただ、それだけじゃなくて、そこまでに行き着くという旅も大事だと思うんだ。

パワーレンジャーのみんなは、初めはちょっと反発し合っているというところから始まって、それから一緒になって、そして友情が育まれて、すごいパワーを発揮して敵を倒すんだよ。それで、このユニークなフォーマットがすごく方程式として上手くいっているからこそ、こうやって長くTVシリーズとして続いていると思うし、今回の映画もとても良い作品になったと思うんだ。それに、それぞれのキャラクターに、なんとなく癒しの部分があるなって感じるところがあるんだ。だから、観客は現実逃避をして、そういうものを見たがるんじゃないかな。

――今回の映画版は子どもだけでなく、大人も楽しめる青春映画的な側面もありますね。

『ブレックファスト・クラブ』みたいな青春映画のように思えたね。DCやマーベルというスーパーヒーロー物の映像作品がいっぱいある中で、老若男女にウケるように作品を作るんだけど、最近のDCやマーベルの映像作品は大人の観客を獲得するために少しダークな作風になってきていると思うんだ。今回の『パワーレンジャー』の映画は、もともとのTVシリーズを見ていた若い層にもアピールできる映画でありつつ、非常にアップデートしているし、そういった意味ではちょっと大人っぽくなっていて、何か進化した形になっていると思うな。

デイカー・モンゴメリー

――ジェイソンはパワーレンジャーのリーダーであり、挫折を味わうアメフトのスター選手という役柄ですが、ご自身の高校時代と比べてこのキャラクターをどう思われますか?

僕はジェイソンとは全然違う学生時代だったんだよ。すごく太っていて、スポーツを全くしていなかったんだ。それに、いじめられっ子だったんだよ。よく、ジェイソンのような高校生のことをジョック(jock)というよね。ジョックというのは高校生の中でもちょっと頭が良くなくて、スポーツばかみたいな意味があるけど、ジェイソンはすごく繊細だし、他の人たちのこともちゃんと考えているんだよね。

ジェイソンのようなスターだった人が落ちぶれるシーンがあるけど、僕もそういうような気持ちを体験したことがあるんだ。人が一番学ぶのはこのどん底にいる時なんだよね。そこから戻れた時に、自分自身が大きく変わっているんだ。だから、自分の高校時代の経験、そして、そういう自分が経験したことを利用して、その時のジェイソンの気持ちを作り上げることができたと思うよ。

――本作ではCGによるアクションや大型戦闘マシン・ゾードだけでなく、生身でのアクションや水中での撮影などありましたが、撮影で大変だったことは?

もちろん、少年の気持ちとしてはアクション映画に出演したいという夢はあったよ。ドラマも好きだけど、アクションも大好きだしね。でも、そういう緊張感の中でも、そのシーンで自分が今どこにいて、どういう考えをしているのかというのを、演じている時に無くさないようにしないといけないんだよね。

泳いでいても、走っていても、操縦していても、自分のセリフやカメラの位置など、他のこと全部を考えていなきゃいけないんだ。観客は見ている時にはまったくそんなことは考えないと思うけどね(笑) でも、見ている人たちがリアリティーのある作品だと信じられるように、僕は全部そういう意識をしていないといけないと思っているんだ。だから、アクションの動きは考えずに自然と出るものなんだ。本当に反応するという感じかな。

『パワーレンジャー』レッドレンジャー
(※江の島東浜海水浴場『パワーレンジャー』江の島サンドアート 7月31日(月)まで展示中)

――日本の戦隊ヒーローの俳優は子どもたちから憧れや尊敬を受ける存在になっています。デイカーさんも、そのような立場になるのではないでしょうか?

(恥ずかしがりながら)そこまで考えてなかったな(笑) でも、本当にそうなったら、自分が良いお手本になっていきたいね。

――パワーレンジャーのみなさんとの撮影現場はどうでしたか?

映画のように、みんなと友達になって、色々と教え合ったりしていたね。映画の中でパワーレンジャーのみんながキャンプファイヤーをしながら語り合うシーンがあるんだけど、撮影していない時に、実際に似たようなことをしていたね。自分のことを話して明らかにするという意味では同じようなことをしていたよ。

――ラストシーンは続編を期待させるものでしたが、何か続編について監督と話し合っていたり、続編に期待することはありますか?

続編については、まだ僕たち出演者には知らされていないから分からないんだ。だけど、僕はぜひ続編を作ってほしいね。もし続編があるなら、パワーレンジャーたちに襲いかかる危険がもっと大きなものになってスケールアップしてほしい。でも、大きくなったらなったで、キャラクターのハートの部分は失わないでいたいね。

『パワーレンジャー』は大ヒット公開中。

デイカー・モンゴメリー

『パワーレンジャー』

Photo:『パワーレンジャー』
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