『SUPERNATURAL』『コンスタンティン』好き必見！二人のイケメンが悪魔と戦う『エクソシスト』

2017年12月22日 2017年12月22日 ※本ページにはアフィリエイト広告が含まれます

昨今、ハリウッドや日本では世紀末的なストーリーが人気を博している。大ヒットドラマ『ウォーキング・デッド』やホワイトウォーカーと人間の全面戦争がいよいよ始まる『ゲーム・オブ・スローンズ』はもちろん、邦画の『シン・ゴジラ』や漫画「アイアムアヒーロー」「進撃の巨人」など、国やメディアの垣根を越えて数えきれないほどの作品が生まれている。その背景には、誰もが抱く現状への危機感、そして未来への絶望があるのだろう。ただし、作中で描かれる人智を超えた存在は、単なる脅威ではなく、極限状態の中で人間がどう考え、行動するべきかという、人としてのあり方を問うていることが多い。スリルと衝撃を与えるだけではないからこそ、見る者の心をこれほどまでに揺さぶり、惹きつけるのだ。

そうした人間の、ヒリヒリと痛いほどに生々しい姿と、その中で生まれる絆を描いているのが『エクソシスト』。「エクソシスト（祈祷師）」という言葉は、ほんの50年ほど前までは英語圏ですら耳慣れない表現だった。しかし、1973年に世界中で大ヒットした同名映画――少女にとり憑いた悪魔と二人の神父の戦いを描き、アカデミー賞作品賞ほか10部門にノミネート――をきっかけに、日本でも知られるようになった。本作はその映画を元にしたTVシリーズであり、二人の神父が悪魔と対決することになる。

悪魔との戦いというと取っつきにくい印象を与えるかもしれないが、このテーマを扱ったドラマは珍しくない。『SUPERNATURAL／スーパーナチュラル』のサムとディーンのウィンチェスター兄弟は悪魔たちを相手にし、悪魔祓いの儀式も行う。『コンスタンティン』のジョンは悪魔専門の私立探偵だし、『アウトキャスト』のカイルも次第に悪魔祓いの能力に目覚めていくというキャラクターだ。

『エクソシスト』は特に『SUPERNATURAL』との類似点が多いかもしれない。主人公の神父、トマスとマーカスは、サムとディーンのように対照的なタイプのイケメンだ。教会の期待の星であるトマスが万人に優しく、理性的で慎重な性格なのに対し、一匹狼のマーカスは常識にとらわれず、万事において本能的に行動する。自分の邪魔をする者は神父仲間であっても銃口を向けて「（撃つのを）躊躇しない」と言いきるほどだ。ある日、女性信者から娘が悪魔に狙われていると助けを求められたトマスが、夢でマーカスのヴィジョンを見たことから、二人は運命的な出会いを果たす。かつて一人の少年を救えなかったことで悪魔祓いから遠ざかっていたマーカスだが、神が自分たちを引き合わせたと感じ取り、トマスに力を貸すことを決意。しかし、水と油のような二人は何かにつけて衝突。別行動を取ったり、コンビを解消しそうにもなるが、次第に互いが欠かせない存在となっていく。

作品の根幹を成すトマスとマーカスを演じるのは、『センス8』のアルフォンソ・ヘレラと『ハウス・オブ・カード　野望の階段』のベン・ダニエルズ。キャスティングが同時発表された二人は、クリエイターのジェレミー・スレイターが「ベンとアルフォンソ抜きでは番組は存在しなかった」と語るほどの適役で、特に一筋縄ではいかない強烈なキャラクター、マーカスを演じるベンはただならぬ存在感を発揮している。

一話完結型ではない本作は、いわば10話分を費やした"大長編の映画"。悪魔との戦いと、その中で育まれるトマスとマーカスの友情、悪魔によって引き裂かれそうになる家族の絆が、次第に高まる緊張感とともに、計算し尽くされた精緻さで描かれていく。現職の神父に行った綿密なリサーチと、現実に起きた事例を取り入れたことが、クオリティの高さへとつながり、一般人の投票によって決まるピープルズ・チョイス・アワードにもノミネートされた。映画『エクソシスト』の焼き直しではないオリジナルの物語であり、なおかつ映画版とのつながりもあるため、そちらも見ている人にはビックリの展開が待ち受けているし、未見の人も問題なく楽しむことができる。

執念深い悪魔との死闘を終えたトマスとマーカスは、のちに教会を離れ、悪魔祓いの師弟コンビとして各地を巡るようになる。ストーリーが進むにつれてよりクールに、よりワイルドになっていく二人の変貌ぶりは必見だ。めきめきと力を伸ばしていくものの、悪魔の言葉に動揺したりヴィジョンを見る能力を悪用されたりと危なっかしいところのあるトマスと、そんな彼を師として厳しくいさめながらも、時に優しく見守るマーカスという新たな名コンビによる、人間ドラマと心理サスペンスの要素たっぷりの超常現象ドラマ。冬にぴったりの背筋が凍るような恐怖と、男たちの熱い戦い、家族の絆の物語をご覧になってみてはいかがだろうか？