Netflix『オザークへようこそ』シーズン2 カジノ経営に手を出す一家、『ブレイキング・バッド』よりもダークな展開へ

麻薬王に追い詰められたサラリーマンが、家族を巻き込み犯罪行為に手を染める『オザークへようこそ』。同様の筋書きで人気となった『ブレイキング・バッド』を思わせるクライムサスペンスだが、家族思いの主人公が単身危険を冒す同作とは異なり、本作は必要ならば妻子さえ危険に巻き込む冷酷さが持ち味だ。のどかなリゾート地を陰鬱な空気が覆い尽くすシーズン2が、Netflixで8月31日より世界同時配信スタートした。

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■湖のリゾートを訪れたサラリーマン、資金洗浄に精を出す
大都市シカゴから、豊かな森林の広がるミズーリ州オザークに突然引越しを決めた一家。のどかな場所に居を移しただけだと妻ウェンディ(ローラ・リニー)は信じているが、夫マーティ(ジェイソン・ベイトマン)には秘密があった。財務顧問を務める会社で、クライアントの麻薬カルテルの資金洗浄に同僚が失敗。その組織のボスであるメキシコの麻薬王の怒りが爆発していた。身の危険を感じたマーティは自ら資金洗浄を引き継ぐ腹を決め、ここオザークのリゾート地を舞台に選定した。FBIによる捜査の手が迫る中、平凡な元サラリーマンが知恵と度胸を武器に、ストリップクラブや宗教などへの投資を通じた危険なマネー・ロンダリングを繰り広げる。

シーズン2では、これまで夫の悪行から距離をおいていたウエンディと子供たちが、ついに彼の犯罪行為を支援。尻込みしていた家族たちだがひとたび事業に加担するや否や、意外な才能を発揮する。新たに登場する食わせ者の弁護士(ジャネット・マクティア)とともに、一家はカジノの開業を目指す。

■普遍的なジャンルで、なおも輝くオリジナリティ
父親が悪の道に進む展開が『ブレイキング・バッド』を思わせる、と米Independentは評する。しかし、本作はその残忍さでオリジナリティを発揮している、とも評価。家族思いで献身的な『ブレイキング・バッド』のウォルターと違い、本作のマーティは犯罪に妻子を巻き込むことを厭わない。また、今シーズンは脚本の妙も一段と際立つ。盗聴器が仕掛けられるくだりや、誘拐が失敗に終わりそうになるエピソードでは、シリーズ中で最もハラハラする展開を期待できる。

銃と麻薬取引に関する確かな見識も本作の優れている点の一つだ。米Varietyは、細部まできっちりと作り込まれていている上に驚きの与え方も巧妙で、同ジャンルの作品のなかでも優れた存在だと評価。。米マーケティング会社Parrot Analyticsの調査によると、本作のシーズン1は昨夏Netflixで最も視聴された番組となっている。監督・主演のジェイソンがエミー賞の監督賞と主演男優賞の双方にノミネートされるなど、シリーズは順調に実績を残してきた。

■極悪非道の弁護士
従来よりもさらに悪人がのさばり、バイオレンスが勢いを増す今シーズン。前期よりもさらに興味をそそる作品になっている、とVarietyは評価している。

シーズン2で凶悪さに磨きのかかった弁護士が登場。Independentは麻薬カルテルから派遣されるジャネット扮する女性弁護士に触れ、会話を巧みに誘導し、他人を意のままに操ることができる危険な人物だと紹介している。前作から続投のジェイソン・バトラー・ハーナー演じるFBI捜査官も、他のドラマでは見られないほどゾッとするような不気味な人物。ダークな境地へ突き進むシーズン2は、一度見だしたら止まらないシーズンだと、同メディアはその出来栄えを認めている。

悪事の泥沼に一家が着々と歩を進める『オザークへようこそ』シーズン2は、Netflixで配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:Netflixオリジナルシリーズ『オザークへようこそ』は8月31日(金)より全世界同時ストリーミング中
ジャネット・マクティア (C)Tina Rowden/Netflix
ジェイソン・バトラー・ハーナー(C)Jessica Miglio/Netflix