世界中で大ヒットしている米HBOのファンタジー大河『ゲーム・オブ・スローンズ』。2015年、2016年、2018年と3度にわたりエミー賞作品賞に輝いた本作を機に、ジョン・スノウ役のキット・ハリントンや、デナーリス役のエミリア・クラークをはじめとする多くの出演者たちが世界中でブレイクを果たした。俳優たちにとっては、是非とも出演したい作品になった本作だが、企画が立ち上がった当初はこれほどのスターメーカーになることは保証されておらず、スケジュールや個人的な事情でオファーを断った俳優たちがいたのは仕方のないこと。米Looperが掲載している好機を逃した俳優たちを、昨日の【前編】5人に続き、本日は【後編】で4人を紹介しよう。
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■ジリアン・アンダーソン(『X-ファイル』)
大ヒット超常現象ドラマ『X-ファイル』のスカリー役でおなじみのジリアン・アンダーソンも、"親"であるために『GOT』から身を引いた。彼女は2013年の米Stylist Magazineで「『GOT』でも『ダウントン・アビー』でも、私の18歳の娘は、彼女の大好きな作品への出演を私が断っていたなんて信じられないでしょうね。でも4歳と6歳の子供がいるのに、(マーティン・)スコセッシとの仕事以外で自宅を空けることを正当化できなかったわ」と明かしていた。
ジリアンはオファーを受けた役を明らかにしていないが、スカリーの赤毛が印象的だったことを踏まえ、メリサンドル(カリス・ファン・ハウテン)や、サーセイ・ラニスター(レナ・ヘディ)と予想されている。
■ジョナサン・プライス(『ウルフ・ホール』)
『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや、『ウルフ・ホール』をはじめ数多くの映画、TVドラマ、舞台で活躍してきたジョナサン・プライスは、『GOT』のシーズン5&6にハイ・スパロウ役でゲスト出演しているが、実はそのずっと前に一度オファーを断っていたことがあるという。彼が英BBC Radio 4に明かしたその理由は「私は、『GOT』のオリジナルシリーズを断っていたんだ。それは、パラパラとめくって見えた奇妙な名前、セリフに"あぁ、これは私には向いていない"と思った」からとのこと。
しかしその後、ハイ・スパロウの個性と存在感に自身の考え方が変わり、出演を決めたという。
■パーディタ・ウィークス(『リベリオン』)
『THE TUDORS 〜背徳の王冠〜』や『私立探偵マグナム』のリブート版『Magnum P.I.(原題)』などに出演するパーディタ・ウィークス。当初、彼女はエドミュア・タリー(トビアス・メンジーズ)の妻ロズリン・フレイ役でキャスティングされていたが、『The Heretics(原題)』という作品に出演するために降板することに。しかし、この作品は企画が頓挫してしまったため、結果的に彼女はどちらの役も手に入れることができなかったのだ。パーディタは2012年に英The Daily Mail のインタビューで「『The Heretics』の製作中断のニュースを聞いて、諦めてしまった『GOT』の役をもう一度やらせてもらえないかプロデューサーに連絡もしたけど、遅すぎたの」と心境を吐露している。
パーディタの後釜に座ったのは、アレクサンドラ・ダウリング(『マスケティアーズ』)。
■レイ・スティーヴンソン(『Black Sails/ブラック・セイルズ』)
『マイティ・ソー』シリーズのヴォルスタッグ役で知られるレイ・スティーヴンソンは、『GOT』のオファーを受けていたものの、TVドラマに出演する気がなかったために断っていたことを米Movies.comに明かしている。
レイは「オファーはもらった。まだ(企画が)始まったばかりのとても早い段階だった」と説明。続けて、「素晴らしい話だと思ったが、当時自分が参加するべきものだとは思えなかった。作品の成長に関わっていたかったんだ。(『GOT』を見て)『ROME〔ローマ〕』から知っているみんな(キアラン・ハインズやトビアス・メンジーズら)を見続けていたが、やっぱり僕にはできないね! でも、みんなは良かった」
当時はTVドラマへの興味がなかったというレイだが、その後幾つかのTVシリーズへのゲスト出演を経て、2016年から2017年には『Black Sails/ブラック・セイルズ』にレギュラー出演している。
Photo:ジリアン・アンダーソン(C) FAM013/FAMOUS ジョナサン・プライス(C) HUBERT BOESL/FAMOUS パーディタ・ウィークス(C) JMVM/FAMOUS レイ・スティーヴンソン(C) JMVM/FAMOUS