女性を中心に絶大な人気を博したドラマ『SEX AND THE CITY』(以下『SATC』)のキャリー役や、米HBOの離婚コメディドラマ『Divorce/ディボース』のフランシス役で知られるサラ・ジェシカ・パーカー。自身をしっかり持っている強い女性役の印象があるサラだが、撮影現場で経験した男性俳優らからの不適切な言動に抗議したことがある過去を告白した。米Hollywood Reporterが報じている。
7月3日(水)にサラは、米NPRの『Fresh Air』という番組でその時のことを語った。「共演者の男性俳優の態度が不適切だったばかりか、契約義務にも違反していると言えるほどだったわ。進化した現代的な女性像をどれだけ演じ、自分自身もそうだと思っていたとしてもその場ではそう感じられなかった。あるまじき態度を取っている男性と同じくらい自分にも力があるとは全く思えなかった。これまで数多くの同じような場面に遭遇した時は、立ち場こそ違えど自分も同じようにパワフルだと思えていたから、こんなことを声に出して言うのも衝撃的なの」
強い女性を演じ、自身もそうだと思っていたが実はそうではないことが分かったと回想するサラ。その時、行動に出たという。「たまりかねてエージェントに、どれだけ不適切な態度を取られていて言葉にできないほど嫌な思いをしているということを言ったの。そしたら数時間後に全てが変わったわ。エージェントは製作側に、"もしこの状況が変わらなければ、サラにはロケ現場から引き上げてもらう。片道チケットももう渡してある"と言ってくれたの」
エージェントがサラの要望を聞いてくれたことで、ロケ現場は最高に快適とは言い難いものの、事態は良い方向に向かい、以前よりは安全でましな環境になったそうだ。「私のことや体形のこと、私に無理やり何をやらせることができるかといったことなどに耳を傾けなくて良くなったわ。あの男性たちがやっていたことは全部終わったの」
また、問題の男性は有名俳優だったが、サラは彼自身の人間性が変わることは期待していなかったそうだ。「彼は大人で、とても有名な映画スターだけど、本質はトラブルメーカーね。その人の性格はカチカチに固まっていて、もう変わりようがなかったけど、私は最初より安心できる環境になったから契約を全うして撮影を終えられたのよ」
2017年に起きた大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタインの性的スキャンダルをきっかけに起きた「#MeToo」ムーブメント以降、この業界における男性の不適切な振る舞いの多さと、これまで自分が仕事を続けるためにどうにか我慢をしてきたという事実に気が付いたという。サラのように声を上げる女性が増えることで、このようなことが少なくなっていくことを願いたいものだ。
プライベートでも強くなったサラが主演する『Divorce/ディボース』は、シーズン3で終了することが発表されたばかりだが、シーズン1~2はAmazon Prime Videoで配信中。作品見どころやレビューは海外ドラマNAVI作品データベースをチェック!(海外ドラマNAVI)
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サラ・ジェシカ・パーカー
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