連続殺人鬼の心を探る『マインドハンター』待望のシーズン2は「Netflix最高傑作」

サイコサスペンスファンなら、その名前を聞くだけで血沸き肉躍る鬼才デヴィッド・フィンチャー。彼が手がけたドラマとして人気を集めるNetflixオリジナルシリーズ『マインドハンター』。待ちに待ったシーズン2が8月16日(金)より配信中だ。

舞台は1970年代後半。犯罪心理学によるプロファイリングの手法を、若きFBIの捜査官ホールデンらが確立していく様子を追う本作。『マインドハンター』シーズン2では、被害者を縛り上げ、拷問して殺したシリアルキラーのデニス・レイダーなどが登場する。

よき理解者登場、いよいよプロファイリング実用化?

シリアルキラーのエド・ケンパーに面会した際、彼にハグされたことでパニック発作に襲われたホールデン(ジョナサン・グロフ)。床に倒れこんで病院に運ばれる。

一方、FBIではシェパード所長が辞任し、ワシントンD.C.から新しいボスがやってくる。彼は、ホールデンたちの凶悪犯罪者プロファイリングに非常に興味を持ち、実際の捜査に活用していけるように持っていきたいと言う。それぞれが自らの問題を抱えながらもプロジェクトへのよき理解者を得たホールデンたち。彼らの前に次に立ちはだかるのはすでに犯人が逮捕された一件ではなく、お蔵入りとなった凶悪殺人事件。そして、いま社会のなかに潜んで次の被害者を虎視眈々と狙う犯人のプロファイリングだった。

シーズン2も美しい映像と深い会話、引き込まれる演技

実際にあった凶悪殺人事件を取り上げるが、スプラッタシーンや銃撃戦などの犯罪ドラマによくあるシーンはほとんどない本シリーズ。しかし、シリアルキラーやサイコパスの狂気の世界に触れて影響されていくホールデンを通してじわじわと恐怖が伝わってくる。また、犯罪心理学の面白さと奥深さを伝えるセリフも、知的好奇心にあふれた視聴者を魅了する要因となっている。

このシリーズを「Netflix最高傑作のひとつである」と評するのが米Hollywood Reporterだ。ニューヨークとロサンゼルスではシーズン2の批評家へのお披露目が映画館で行われた。大スクリーンに映された素晴らしい映像美術に感銘を受けた同メディアのレビュアーは、シーズン2について「自信に満ちており、興味をかきたてられる」と絶賛。狂気の犯人への不気味な尋問、重い会話、そして素晴らしい演技がまた見られると高評価を与えている。

Hollywood Reporterが書くように、ドラマの見どころのひとつは実際に起こった殺人事件の犯人と、主人公ホールデンとの会話であり、派手なアクションシーンでない。その点を英Guardianは、『マインドハンター』を現在放送中の犯罪ドラマのなかで「もっとも品がある」として評価している。狂気に満ちているが、その分ドラマティックな実際の凶悪事件に興味を持つ人たちにとって、殺人事件のいきさつを楽しむような気持ちに後ろめたさを感じつつも「質の高いスリル」を与えてくれるドラマだと述べている。

派手なシーンはないが、犯罪ドラマファンなら絶対に見て欲しいNetflixオリジナルシリーズ『マインドハンター』。シーズン2は全9話。各話は約1時間程度なので、週末は朝から晩までテレビの前に釘づけになりそうだ。(海外ドラマNAVI)

Photo:Netflixオリジナルシリーズ『マインドハンター』