フィナーレを迎えた米CWの大人気超常現象ドラマ『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』。15年という長い本作の最後がいかなるものだったか、数字を交えその歴史を振り返ってみよう。米Hollywood Reporterが報じた。
米CWにとって最長記録となった本作は、2005年から2006年までの最初のシーズンでは、平均450万人の視聴者を毎週獲得。その数値は、ニールセンランキングで165位だった。2019年から2020年に放送されたファイナルシーズンでその数字を獲得していれば、52位にランク付けされていただろう。
実はシーズン1が放送されていたのは、米WB(ザ・ワーナー・ブラザース・テレビジョン・ネットワーク)。その後、同社とCBSが開局したCWに移り、シーズン2から14年間はCWの看板作品となる。だが実は本作は"大ブレイク"したことがなく、視聴率で驚異的な数字を打ち出すようなこともなかったが、全327話というエピソード数を記録した。
また、本作の数字を見るとこの15年におけるテレビ局や配信サービスがいかにテレビ業界を変えたかもわかる。CWのCEOマーク・ペドウィッツはポッドキャストで次のように述べている。
「『スーパーナチュラル』は弊社にとって非常にいろいろな意味で基盤となりました。2010年から2シーズンを(通常は人気のないと言われる)金曜日に移動しても、本作自体が確固としたものになっており、また他の曜日に変わっても別の作品を押し上げる効果さえも生み出しました。『スーパーナチュラル』の視聴者の男女比はほぼ半々で、この作品を見た後に放送された作品、または『スーパーナチュラル』の前の時間枠の作品も一緒に見るという現実があるのです。アローバースの多くの作品を確立させることにも、『スーパーナチュラル』は一役買っていたと思います。本作の視聴者は情熱的で、他の作品の視聴率のサンプルになってくれることを望んでいました。『スーパーナチュラル』が終わって、そのようなことがなくなるのが残念です」
『デスパレートな妻たち』や『CSI』シリーズ、『アメリカン・アイドル』などが毎週2500万もの視聴者数を記録していた時と比べると、2010年ごろからは配信サービスが台頭し始め、今後もこのような高視聴率数をテレビ局が叩き出すのは難しくなるだろう。
ペドウィッツによると、『スーパーナチュラル』のNetflix契約は、シーズン1からシーズン6までが含まれており、2012年秋にシーズン7がデビューする前に多くの人がNetflixで本シリーズを観賞していたと指摘した。よって、それが良い兆候となり、当時新シリーズだった『ARROW/アロー』と放送枠がペアになっていたので、その夜の視聴率は非常に良かったと述べた。他のテレビ放送局の作品のように、過去10年で『スーパーナチュラル』視聴率は衰退していた。だが過去10年間のCW内におけるランキングでは、『スーパーナチュラル』は5位以下になったことはなかった。
以下が本作の残した記録だ。
327:『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』の全エピソード数。
84:米CWの2番目に長く放送された作品『7th Heaven(原題)』の243話との差異。
6:これまでの放送枠。
火曜日21時、木曜日21時、金曜日21時、水曜日21時、木曜日20時、月曜日20時。だが木曜日の21時が100話で一番多く放送されていた枠だった。
12:本作が放送中にCWでオンエアされていた作品数。
以下がその12作品。『ギルモア・ガールズ』『ヤング・スーパーマン』『ヴァンパイア・ダイアリーズ』『NIKITA/ニキータ』『ARROW/アロー』『オリジナルズ』『THE FLASH/フラッシュ』『レジェンド・オブ・トゥモロー』『リバーデイル』『レガシーズ』『Roswell, New Mexico(原題)』『The Outpost(原題)』
569万:2005年9月10日の初回放送時の同日内視聴者数
582万:シーズン1第13話『ルート666』で記録した高視聴者数
4.2:WBとCW両方での15シーズンでの平均視聴者数。最小記録だったのは2006年から2007年のシーズン9。
4:視聴者数が100万を切ったエピソード数が4話で、その全てがファイナルであるシーズン15。
(翻訳:Erina Austen)
Photo:『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』シーズン1、シーズン8、シーズン15より (C)Warner Bros. Entertainment, Inc.