英国の公共放送局BBCが、TVおよびラジオサービスの閉鎖を含む事業再編を近く発表する見通しとなった。この大規模な再編に伴い、若者向け放送局である「BBC Three」が再び地上波から姿を消すのではないかという懸念が強まっている。米Deadlineが独占で伝えた。
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巨額のコスト削減へ…英BBCが地上波・ラジオ網の統廃合を発表へ
今回の発表は、BBCが今後数年で進める5億ポンド(約990億円)規模のコスト削減策の一環。関係者によると、視聴者に直接影響が及ぶ視聴者向けサービスの閉鎖が週明けにも明らかにされる見込みだ。
最高責任者(CEO)のマット・ブリティンは、今回の削減を進めると同時に、変化するメディア環境に対応すべく組織の将来像を描こうと模索している。就任以来、コンテンツが視聴者のニーズに真に応えているかを検証してきたマットは、影響力が薄れつつある事業からリソースを移転させる方針を明確に打ち出している。
・削減目標:今後数年で5億ポンド(約990億円)
・見直し対象:TV、ラジオ、ニュース部門のコンテンツ制作費(8000万ポンド削減)
・背景:英国民の94%が毎月BBCを利用する一方、受信料を支払っているのは80%未満
『Fleabag』生んだ「BBC Three」、二度目の地上波撤退か?
業界内では、若年層向けの「BBC Three」や地域放送局の「BBC Scotland」が統廃合の最優先候補に挙がっているとの見方が濃厚だ。ただし、現時点で正式決定はなされていない。
仮に「BBC Three」が閉鎖されれば、過去10年で2度目の地上波撤退という異例の事態となる。同局は2016年に一度デジタル配信へ完全移行したものの、元CEOのティム・デイヴィにより2022年に地上波へ復帰していた。
配信時代には、世界的大ヒットとなったコメディ『Fleabag フリーバッグ』といった傑作を送り出し、クリエイティブ面で絶賛を浴びた。しかしティム自身も2024年の演説で「BBC Threeの地上波放送よりも、動画配信サービスiPlayer(アイプレイヤー)に制作費やマーケティングを集中させるべきだった」と示唆しており、今回の見直しは既定路線とも言える。
一方で、「BBC Three」は「CBBC(子供向け局)」と同じ電波帯域を使用しているため、単に放送を停止しても大幅なコストカットには繋がらないとの指摘もある。より抜本的な改革として子供向け局の再編も取り沙汰されるが、政治的反発のリスクが高いため慎重な判断が求められる。
最大2,000名の削減リスク…深まる労働組合との対立
今回の構造改革はコンテンツにとどまらない。最大2,000人規模の雇用削減が見込まれているほか、スポーツニュース枠の縮小といった一部の番組改編はすでに現場へ通知され始めている。さらに、賃上げをめぐる労働組合との交渉は難航を極めており、組合側は経営側の提案を2度にわたって拒否。ストライキなど実力行使に発展するリスクも日に日に高まっている。
BBCは現在、政府との間で事業の根幹をなす設立協定や今後の資金調達枠組みをめぐる協議の真っ只中にある。公共放送としての存在意義と存続をかけた厳しい舵取りは、今後さらに本格化しそうだ。
『Fleabag フリーバッグ』シーズン1~2はAmazon Prime Videoで独占配信中。(海外ドラマNAVI)






