『ウォーキング・デッド』の象徴であり、作品の代名詞とも言える主人公リック・グライムズ。10年近くにわたり番組を牽引したアンドリュー・リンカーン以外のリックなど、今では到底想像できないだろう。しかし、シリーズの企画段階において、彼はリック役の第一候補ではなかったという驚きの事実がある。
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幻のリック・グライムズ、第一候補は『ミスト』のトーマス・ジェーンだった
リック役は最終的にアンドリューの手に渡り、彼をテレビ界最大のフランチャイズの主演として世界的なスーパースターへと押し上げるきっかけとなった。しかし、もし米HBOがこのドラマの企画を見送っていなければ、アンドリューがこの役を射止めるチャンスはほぼなかったと言っていい。
『ウォーキング・デッド』の初期開発段階において、初代ショーランナーのフランク・ダラボンは、リック役に俳優のトーマス・ジェーンを迎えることを熱望していた。ダラボンとトーマスは映画『ミスト』で共に仕事をした経験があり、ダラボンはこのゾンビドラマの主演に彼を据えることで、再びタッグを組む絶好の機会だと考えていたのだ。

では、一体何が運命を変えたのか? 結論から言えば『ウォーキング・デッド』のファンが感謝すべき相手は、他ならぬHBOなのだ。
HBOの不採用がもたらした運命のいたずら
ダラボンが『ウォーキング・デッド』を開発していた際、最初にこの企画をHBOに持ち込んだ。しかし、同局は「パイロット版が暴力的すぎる」という懸念を理由に、本企画を却下。のちに、残虐な描写で知られる『ゲーム・オブ・スローンズ』の本拠地となるネットワークであることを考えると、この判断は今となっては奇妙に思える。ともあれ、HBOに提案が行われていた段階では、トーマスがリック役として内定していた。しかし、HBOがプロジェクトの見送りを決定したため、ダラボンは別の放送局を探して企画を持ち回り続けざるを得なくなる。
その後、AMCが名乗りを上げてシリーズ化を決定したときには、トーマスはすでに他のスケジュールが埋まっており、主演を務めることができなくなっていた。皮肉なことに、その原因は彼がHBOのコメディドラマ『HUNG/ハング』にキャスティングされたからであった。この出演が決まっていたために、彼はダラボンと再び組むことができず、自身のキャリアを決定づけたであろう極めて重要な役を諦めざるを得なくなった。確かに『HUNG』はHBOにとって成功作となったが、その規模は『ウォーキング・デッド』がのちに享受した爆発的なヒットには遠く及ばない。
映画『ミスト』から受け継がれたのは…
ダラボンは『ウォーキング・デッド』にトーマスを巻き込むことこそ叶わなかったが、映画『ミスト』に出演していた別のスターに役割を見出した。ローリー・ホールデンとメリッサ・マクブライドの二人である。彼女たちは『ミスト』でダラボンと仕事をした縁から、『ウォーキング・デッド』においてそれぞれ物語の鍵を握る重要なキャラクター、アンドレア役とキャロル役を射止めることになった。
もしトーマスのスケジュールが空いていてリックを演じていたら、作品がどれほど違ったものになっていたかを想像するのは非常に興味深い。とはいえ、やはりアンドリュー以外のリックは想像できないし、結果的にはすべてが最善の形に収まったと言えるだろう。
『ウォーキング・デッド』全11シーズンはU-NEXT、Disney+(ディズニープラス)などで配信中。(海外ドラマNAVI)








